優良な高配当株を探す際のポイントは、「高い配当利回り」に加えて「安定性」や「成長性」も見極めることが大切です。以下に主なチェックポイントをまとめます:
📋 優良な高配当株を探すチェックリスト
チェックポイント | 内容・目安 |
---|---|
✅ 配当利回り | 3〜5%以上が目安。ただし7%以上はリスクがあることも。 |
✅ 配当性向 | 30〜60%が理想。高すぎると減配リスク。 |
✅ 連続増配 or 安定配当 | 減配せず継続的に配当している実績を重視。 |
✅ 財務健全性 | 自己資本比率50%以上、キャッシュフロー安定、借金が少ない。 |
✅ ビジネスモデルの安定性 | 通信、インフラ、食品など不況に強い業種。 |
✅ 株主還元への姿勢 | 自社株買いや株主優待など、還元を重視しているか。 |
✅ 業績見通し | 将来も安定・成長が期待できるか。 |
✅ バリュエーション | PERやPBRが割安か。低すぎるとリスクあり。 |
それぞれ詳しく見ていこう。
✅ 1. 配当利回り
- 計算式:(年間配当金/株価)×100 例)株価:2,000円、年間配当金:100円=>(100/2,000)×100 = 5%
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目安:3〜5%以上が一般的な「高配当」とされる。
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ただし、異常に高すぎる(例:7%以上)場合は要注意。業績悪化で株価が下がっている可能性があります。
- 利回りが高い=儲かる株とは限りません。
✅ 2. 配当性向
- 計算式:(配当金/利益)×100 例)「1年で100億円の利益」「30億円が配当金」 (30/100)×100=30%
- 配当性向が高すぎる(例:80%以上)と、将来的に減配のリスクがある。
- 目安:
配当性向 | 評価 | 説明 |
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20〜40% | 健全 | 多くの日本企業はこのあたり。内部留保とのバランスが良い。 |
50〜60% | 高め | 配当重視の企業。安定していれば魅力的。 |
70%以上 | 要注意 | 無理して出している可能性あり。減配リスクが高い。 |
利益が下がった年に、無理をして高い配当を維持していると経営に負担になる。連続増配している企業でも、配当性向が高すぎると将来が心配。そのため、配当性向以外の指標も併せてチェックする必要があります。
✅ 3. 連続増配・安定配当の実績
-
5年・10年以上減配なし or 連続増配している企業は信頼性が高い。
-
「花王」「JT」「KDDI」「三菱HCキャピタル」などが代表例。
✅ 4. 財務健全性
財務健全性とは、企業の「お金の体力」や「潰れにくさ」を示す指標のこと。どれだけ借金が少なくて、自分のお金でしっかり経営できているかを見極めることで、安心して投資できる企業か判断できる。
主なチェック項目(超重要)
指標 | 見るべきポイント |
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🧱 自己資本比率 | 50%以上が目安。高いほど安定経営。 |
💰 現金・預金残高 | 現金が多い企業は不況でも耐えやすい。 |
💸 有利子負債(借金) | 借金が多すぎる企業は金利上昇時にリスク大。 |
🔄 営業キャッシュフロー | 安定して黒字か?本業でちゃんと稼げてるか? |
📉 利益剰余金 | 過去の利益の蓄積。多いほど安心。 |
なぜ財務健全性が重要なのか?
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不況や災害などで業績が落ちても、財務が強ければ持ちこたえられる。
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減配リスクも低くなる(配当が維持されやすい)。
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長期保有でも安心感がある。
✅ 5. ビジネスモデルの安定性
⚠️ 不安定なビジネスモデルの代表例
業種・モデル | なぜ不安定? |
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📉 資源・エネルギー関連(例:石油・石炭) | 市況(価格変動)に業績が大きく左右される。原油価格が下がると大赤字に。 |
📦 景気敏感業(例:自動車、機械、建設) | 景気が悪くなると需要が急減。リーマンショックのような時に業績激減しやすい。 |
🧨 一発屋的な事業モデル(例:流行アプリ会社) | ヒット商品がなくなるとすぐ失速。売上の安定感がない。 |
🎰 ギャンブル・遊技系(例:パチンコ、カジノ) | 法規制・世論に左右されやすい。縮小産業になっている傾向も。 |
🛫 航空・旅行業 | 燃料費、天候、感染症など外部要因に強く左右される。 |
📺 広告モデル中心のメディア | 広告単価やクリック率に依存。景気やトレンドで収益が大きく変動。 |
✅ 6. 株主還元への積極性
- IR/決算資料で配当方針を確認する。(配当性向、増配方針、DOE(株主資本配当率)など)
- 過去の配当実績(増配・減配)を確認する。(連続増配、減配が無い)
- 自社株買いの有無と規模を確認する。(自社株買いは間接的な配当。規模が大きいほどプラスなど)
✅ 7. 今後の業績見通し
1. **会社の業績予想(会社予想)を見る
企業のIR資料や決算短信で、次のような数字が公表されてる:
項目 | 内容 |
---|---|
売上高予想 | 今期・来期の売上見通し |
営業利益・経常利益 | 本業でどれくらい稼げそうか |
純利益予想 | 最終的にどれだけ儲かりそうか |
配当予想 | 年間配当金はいくら出すつもりか |
📌「通期業績予想」「来期のガイダンス」「業績修正(上方 or 下方修正)」などのワードに注目!
2. **四季報・有価証券報告書などの業界情報を読む
-
業界全体の流れを把握するのが大切。
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例えば:
-
半導体業界→景気敏感で波がある
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通信業界→インフラ的で安定
-
商社→資源価格の影響を大きく受ける
-
📘『会社四季報』には企業ごとの業績コメント・今後の見通しが簡潔にまとまっていて超便利。
3. **過去の業績推移(トレンド)を見る
5年〜10年単位で「安定成長しているか」「波があるか」を見る。
- | 安定成長企業 | 年ごとの売上・利益が安定 or 右肩上がり |
- | 景気敏感企業 | 年によってバラバラ、大きな赤字の年があることも |
💡 まとめ:これを見れば未来が読める!
見るべきポイント | チェック内容 |
---|---|
会社の予想 | 売上・利益・配当の見通し |
業界の流れ | 業界ごとの追い風 or 向かい風 |
過去の推移 | 安定成長してる?利益がブレすぎてない? |
✅ 8. PER・PBRなどのバリュエーション
最後に、PER・PBRなどのバリュエーションもチェックします。割安かどうかを確認しますが、極端に低い場合は業績懸念の危険性もあるので注意が必要です。
こざお@現役部長 今回は、高配当株投資には欠かせない『PER』について分かりやすく解説します! 優良な高配当株を探す上で欠かすことができない指標の一つがPERです。 […]
まとめ
📋 優良な高配当株を探すチェックリスト
チェックポイント | 内容・目安 |
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✅ 配当利回り | 3〜5%以上が目安。ただし7%以上はリスクがあることも。 |
✅ 配当性向 | 30〜60%が理想。高すぎると減配リスク。 |
✅ 連続増配 or 安定配当 | 減配せず継続的に配当している実績を重視。 |
✅ 財務健全性 | 自己資本比率50%以上、キャッシュフロー安定、借金が少ない。 |
✅ ビジネスモデルの安定性 | 通信、インフラ、食品など不況に強い業種。 |
✅ 株主還元への姿勢 | 自社株買いや株主優待など、還元を重視しているか。 |
✅ 業績見通し | 将来も安定・成長が期待できるか。 |
✅ バリュエーション | PERやPBRが割安か。低すぎるとリスクあり。 |