- 転職にはリスクがあるけど転職活動にはリスクはない
- ハイクラス転職で年収1000万円
- SEは売り手市場だから年収アップは当たり前
こんな情報をうのみにして転職を検討していませんか?
終身雇用制度、年功序列が崩壊し、一昔前よりも転職に対するハードルが下がっていることは間違いありません。
1つの会社に勤め続けようと考える社員が少なくなり、優秀な社員ほど転職による年収アップ、キャリアアップを狙っているでしょう。
ただし!ちょっと冷静になってください。転職にはデメリットが沢山潜んでいるので注意してください。
売り手市場のシステムエンジニア(SE)だからこそ、何も勉強をせずにCMやネット上の情報に踊らされて転職活動を始めてしまうもの‥。
早まった転職活動や、現職の会社へのアプローチを間違えると‥
- 望んでいない会社への転職
- 現職の会社での居場所がなくなる
- 年収大幅減での転職を余儀なくされる
- ブラック企業に転職をしてしまう
- 人間関係が悪化してまたすぐに転職をする羽目に…
こんな未来が待っているかも知れませんよ。というか、準備と勉強をしっかりしないで安易に転職活動を始めてしまうと上記のような失敗をする可能性で非常に高くなります。
この記事を最後まで読むことで、SEの転職におけるリスクや転職の前に準備しておいた方がよいこと、おすすめの転職方法について知ることができます。
SEの転職リスク(デメリット)3選
システムエンジニア(SE)の転職におけるデメリットから見ていきましょう。
これは、実際に私の部下や協力会社社員の実例からお話しするので、実態に沿った例でお伝えできると思います。
年収ダウン
一番のデメリットは年収(報酬)のダウンではないでしょうか。
転職をする主な理由の一つが”年収アップ”だと思いますし、リスクを背負って転職をするわけですから、最低でも現状の年収はキープ、というか最低でも年収50万円以上はアップしたいところです。
注意しなければいけないのが、転職した初年度の時期によってはボーナスの支給額が下がってしまうことです。
例えば、4月入社のケースで考えてみましょう。通常、ボーナス(賞与)は半年間の業績から出るものなので、仮に6月に支給されるケースでは12月から5月までの実績(成果)に応じて賞与(ボーナス)が支給されます。
4月入社だと、4月、5月しか実績がないので、12月~3月までの分は減らされてしまう可能性が高いです。また、前の会社で12月~3月までの賞与が支給されるかというとされません(なぜなら、支給が6月なのに退職しているため)から、4ヶ月分の賞与が貰えない年が存在してしまいます。
この分の年収も含め転職先企業との交渉に臨む必要があります。
1年間フルで働いたケースで年収がアップすることはもちろんのこと、転職1年目の年収もできればアップ、最低でも前の会社の年収はキープできるようにしましょう。
人間関係悪化
人間関係は悪くないけど、年収や業務内容(やりたいこと)に不満があり転職を検討している方も多いと思います。
確かに、実際にやりたかったことと全く違う業務内容だったり、やりがいが感じられない仕事だったり、満足いく年収を得ることができないなど転職を決断する大きな理由の一つになるでしょう。
ただし、人間関係はそれ以上にインパクトがあるということを理解しておきましょう。
厄介なのは転職先の人間関係は入社して配属されるまで全く分からないということです。(転職エージェントなどを使って転職を行うケースです。)
- 文句ばかりで使えない上司
- いつも愚痴ばかりで何もしない同僚
- 指示を無視してトラブルばかり起こす部下
こんな人が配属された部署にいないとは限りません。
1人や2人ならまだしも、社風としててそういった人間が蔓延している可能性も否定できないのです。
いくら満足いく年収になっても、納得いく仕事内容だったとしても…人間関係でストレスマックスでは精神が持ちません。
隠れブラック企業
先ほどの人間関係にも関係しますが、実は隠れブラック企業だったというケースも多々あります。
コマーシャルをしている大企業だから大丈夫、、、という訳ではないのが怖い所でして…上場企業の中にも薄給で社員をこき使ってコマとしか見ていないような会社は普通に存在しています。
実際に働いている人の意見を聞いてから転職できるなら話は別ですが、転職エージェントからの情報や、ネット上での口コミくらいしか事前に入手できないことの方が多いと思います。
転職エージェントも、ネットの口コミも半信半疑で聞いた方が良いでしょう‥なぜなら、転職エージェントは企業が顧客ですから、悪く言う事は基本的にありませんし、ネット上の口コミもねつ造データが蔓延しているのが実情です。(ぐるなびの件なんて有名ですよね…(苦笑))
転職先の企業が本当にブラック企業ではないか?は入念に調べた上で転職しましょう。
転職活動のデメリットとは?
ここまでは転職(実際に今の会社を退職して新しい会社に入社)したケースでのデメリットを解説しました。
ここでは”転職活動”におけるデメリットをお伝えします。
ネット上では『転職にはリスクがあるけど、転職活動にはリスクがない』なんて情報もありますが、決してそんなことはありません。
転職活動におけるデメリットは、ずばり『業務に支障が出る』ことです。
やってみると分かるのですが、転職活動ってマジで大変です。
転職エージェントにある程度任せられるとはいえ、経歴書の提出、担当エージェントとの面談、メール・電話のやり取り、企業との面談・適性試験‥などなど。
SE(システムエンジニア)は売りて市場ですから、ある程度の経歴があれば引く手あまたで多くの企業からのオファー(エージェントからの紹介)があります。
フィルターを掛けて制限するのも一つの手ですが、それでも大変な事には変わりありません。
もちろん、業務時間外で行うのですが、想像以上にやることが多く現職の業務にも影響が出る部下を何人も目の当たりにしてきました。
転職活動が大変だということもありますが、現職へのやる気(モチベーション)が低下することも業務への影響が出る要因になっている気がします。
業務への影響が出れば、当然作業品質も低下し顧客からのクレームやチーム内への影響も出てくることが想定され、現職の会社に転職活動がばれてしまう可能性も出てきます。
その転職活動が実を結び、臨んだ会社へ転職できるのなら良いですが、年収が下がることが分かったので今の会社でしばらく働くことを選択した場合に、もし転職活動がばれていたらどうでしょう?
あなたが上司ならその社員を他の社員より評価しますか?賞与を沢山支給しようと思いますか?決して思いませんよね。
転職した方が良いSEの特徴4選
ここまで読んだあなたはきっとこんなことを思っているはず。
『転職にはリスクだらけだな‥怖すぎるので辞めておこう…』
確かに、転職にも転職活動にもリスク・デメリットはあります。でも、だからと言って転職を全否定はしませんし、転職をした方が良い人が多くいるのも確かです。
このパートでは、今すぐに転職を検討した方が良いSE(システムエンジニア)の特徴を解説します。
適正年収から著しく低い
報酬(年収)が同業種、同年代(経験年数)と比べて著しく低い場合は転職を検討しましょう。
システムエンジニアは、ほかの業種と比べて専門的な知識を求められる他、残業が多いこともあり平均年収は高い傾向にあります。
また、需要と供給のバランスが崩れており上記の図にある通り、平均年収は年々上がっています。
年代別には、
- 20代:300万~400万
- 30代:500万~700万
- 40代:700万~ ここからは出世により大きく変動
といった感じでしょうか?
私が勤める会社は、20代でも後半になれば500万弱の年収を得ることができます。
上記の年収から著しく低いケースでは転職を検討した方がよいでしょう。明らかに会社がぼったくりしてますからねw
尊敬できる人がいない
あなたに少しでも成長したいという意欲があるなら、社長や直属の上司に尊敬できる人が一人もいない場合は転職をおすすめします。
なぜなら、その環境ではあなたが成長できる可能性がとても低いからです。
会社が目指す未来に共感ができない、上司が保身のことだけを考えて上の顔色ばかりうかがっている、こんな会社にいては自分自身も腐っていきます。
会社が腐っている(ブラック企業)
いうまでもないですが、勤めている会社が明らかなブラック企業なら今すぐに転職しましょう。なんなら今この瞬間から飛んでしまっても良いかもしれません。
ブラック企業の特徴は、重労働を繰り返し、それが当たり前の環境として思い込ませて心も体も洗脳しようとします。
飲食店の店長に代表される月の残業が200時間を超えるような労働環境においては、どんなに屈強な精神力・肉体を持っていても長くはもちません。
ブラック企業の定義は労働時間だけではありません。あまりにも低すぎる報酬(給与)、人間関係がひどすぎる環境(毎日上司が怒鳴りつけてくる、など)もブラック企業の特徴です。
いずれにしても、同業種の同程度の会社と比較をしてあまりにも年収が低かったり、精神的に参ってしますような環境(労働時間、人間関係など)がある場合は転職を検討してください。
仕事が自分に合っていないと感じる
就職してみたものの…
- プログラムがつまらなすぎる…
- かといって管理の仕事もやりたくない…
- 設計工程やテスト工程もやる気が起きない…
システムエンジニア(SE)として就職をし、各工程の仕事を経験したうえでこれは自分がやりたい仕事ではない!と結論づけたなら転職した方がよいでしょう。
これは、システムエンジニアに限った話ではありませんが、仕事は少しでもやりがいや好きな事が無いと続きません。
人生の中で一番長い時間を過ごすことになる仕事ですから、ストレスをためながらイヤイヤ続けるのは精神的によくありません。
システムエンジニア(SE)は高度なスキルを求められますし、常に最新のスキルがアップデートされるのである程度学び続ける意識が無いと第一線で活躍し続けることはできないです。
SEが転職前に準備したいこと3選
このパートでは、システムエンジニアが転職する前に準備した方がよいこと3選を解説します。
ここまでお伝えしてきた通り、転職にも転職活動にもリスクやデメリットがあります。一歩間違えれば取り返しのつかないほどのデメリットが隠れていることも。
そうはいっても、転職をした方がよい環境にいる方が多いことも事実です。
リスクを回避し、無事に適正年収(年収アップ)をゲットして臨んだ会社に転職するためには事前の準備がとても大切になります。
- 技術スキル
- 業務知識
- 人間力
技術スキル
システムエンジニアに求められるスキルは様々ですが、それぞれの工程をまんべんなく経験できるとよいですね。
特に、製造工程における製造言語は複数経験してある程度の実績(経験)があると転職活動においても有利となります。
各工程別に身に着けた方がよいリスクについてお伝えします。
管理
プロジェクトリーダーとして動ける、プロジェクトマネージャーとして全体の推進ができるなど、管理者としてのスキルがあると転職でもかなり有利です。
人手不足のシステムエンジニアですが、管理スキルがあるエンジニアはさらに貴重なため、高額の年収をゲットできる可能性があります。
進捗管理(WBS作成)、遅延発生時のリカバリ策、顧客との打ち合わせ(折衝)、プロジェクトメンバーの進捗確認など、管理者としてのスキルを磨ける環境があればよいです。
設計
設計スキルと一言でいっても、要件定義書や基本設計書などの上流工程で必要なものは顧客とのコミュニケーションも必要になるため、管理スキル同様に転職において有利に働きます。
設計書を書くためには、システム全体を理解する能力、機能間の連携を意識する能力、業務を意識する能力など様々な能力が求められるため高度なスキルが求められます。
製造
システムエンジニアですから、プログラミング能力は最低限求められるスキルと言えます。
プログラミングでは1つの言語だけでなく、複数言語をマスターしていると転職では有利となりますし、データベース経験も1つではなく複数の方がよいでしょう。
例:VB.NET、C#、Java、SQLServer、Oracle、GCP、AWS、Axure…
テスト
テストにも工程によりやることが変わってきますから、各工程におけるテストを経験しておいた方がよいでしょう。
例:単体、結合、総合、平行稼働、顧客受入
業務知識
技術スキルと同じレベルで重宝されるのが業務知識です。
- 製造業
- 物販
- 金融
- 不動産
- 建設
など、世の中には多くの業務が存在していますが、その業務知識を身に着けていると役に立ちます。
なぜなら、システム開発の上流工程において顧客との会話ができるようになるからです。
一般的には上流工程ができるほどエンジニアの単価は高くなる傾向にあります。
業務知識ができれば、要件定義や基本設計などの上流工程から参画できるので、単価(年収)も高く設定できるのです。
人間力(コミュニケーションスキル)
技術力、業務知識を身に着けることができたら、最後に人間力を磨いていきましょう。
コミュニケーションスキルとも密接に関係していますが、人間力がある一定に達していれば転職活動で失敗することも少なくなるでしょう。
おすすめの転職方法2選
転職のリスクを理解し、転職するために必要な準備について理解ができたら最後のパートです!
おすすめの転職方法2選について解説します。
少なくとも、ネットで検索してヒットした会社に転職したり、求人雑誌を見て応募することはおすすめしません。
引き抜き
システムエンジニアが同業種で転職をするなら、引き抜き(ヘッドハンティング)が一番おすすめです。
というかですね、ストレートに言ってしまうと引き抜きが無いような状態では転職をするべきではないとも言えます。
SE(システムエンジニア)は長くても数年、短いと数か月で現場が移動する働き方の方が多いと思います。
新入社員で入社し、数年がたつとある程度スキルが身についてきて、ある程度長く継続する現場も増えてくるかもしれませんね。
そして、そんな現場で業務をおぼえ、対象システムの仕様にも詳しくなり、派遣先企業の社員とのコミュニケーションも増えて仲良くなるということもあると覆います。
そういった現場で引き抜きにあう、これが最もおすすめな転職です。
なぜなら、その会社の空気感、人間関係、給与形態など、転職のデメリットで開設したポイントが全て解決しているのです。
転職エージェント
とはいっても、引き抜きを待つ余裕がないという方もいるでしょう。また、派遣形態の会社で働いていない方も多いと思います。
その場合は転職エージェントを使いましょう。
最近では転職が当たり前の時代になったおかげで、優良な転職エージェントも増えています。
面倒なやり取りは基本的にエージェントが行ってくれますし、現在の会社を退職する方法も詳しく教えてくれますから、退職時のもめ事を避けたい・・という方にもお勧めできます。
まとめ
『システムエンジニア(SE)の転職に隠された5つのリスク・デメリットとは?』について解説しましたがいかがでしたか?
SEの転職リスク(デメリット)3選
- 年収ダウン
- 人間関係悪化
- 隠れブラック企業
転職活動のデメリットとは?
転職した方が良いSEの特徴4選
- 適正年収から著しく低い
- 尊敬できる人がいない
- 会社が腐っている(ブラック企業)
- 仕事が自分に合っていないと感じる
SEが転職前に準備したいこと3選
- 技術スキル
- 業務知識
- 人間力(コミュニケーションスキル)
おすすめの転職方法2選
- 引き抜き(ヘッドハンティング)
- 転職エージェント