こざお@IT部長です。 IT業界17年、SES中小企業で複数部門を管理する立場から、「SE転職のデメリット」について、リアルな話をします。
部下の転職相談を数十件受けてきて、その半数が年収ダウンを提示されていたという事実。そして自分自身、31歳の適応障害経験、転職4回の人生を通じて、転職の光と影を両方見てきました。
この記事では、転職エージェントや求人サイトが触れたくない「本当のデメリット」 をあぶり出します。
目次
- SE転職の現実:なぜ転職後に後悔するのか
- SE転職のデメリット7選
- 実例:失敗する転職パターン
- それでも転職した方がいいSEの特徴4選
- 転職前の準備3選(2026年版)
- おすすめ転職方法:「引き抜き」が最強である理由
SE転職の現実:なぜ転職後に後悔するのか
僕自身、転職4回を経験して、2回目の転職は失敗だったと思ってる。給料は上がったけど、人間関係最悪でメンタルやられた。その時に適応障害で2ヶ月休職するハメになった。
SE転職のデメリット7選
デメリット1:年収ダウンの罠
転職後、年収が下がる ——これは僕の部下の例で言うと、50%以上の割合で起きている。
理由は単純:
- SES企業の給与体系は「案件単価×稼働率」 で決まるが、転職先がメーカーやユーザー企業でも、基本給は交渉時よりも低く設定されることが多い
- 交渉時の「想定年収700万」が、実際には手取りで650万になるパターン
- ボーナスが想定と異なる、福利厚生が思ったほど充実していない
さらに悪いのが、前職のSES企業では「単価が高い大型案件」に配属されていた場合、転職先では初期配属が低単価案件になることもある。結果として、見かけの年収は上がったが、実手取りは下がってた、みたいな話は珍しくない。
デメリット2:人間関係ガチャ
SES企業にいたときは「チームが合わなければ案件変更」という逃げ道があった。だが、転職先、特に社内SE職やメーカーの開発部門では、人間関係が固定化される。
3ヶ月で「この環境は終わってる」と気づいたけど、すぐには異動できない。人間関係が最悪だから、毎日が苦痛。結果、メンタルボロボロになって、31歳で適応障害の診断を受けた。
応募時の面接で、配属予定の直属上司に会えるかどうか は必ず確認しておくべき。
デメリット3:隠れブラック企業への転職
これは怖い話だけど、求人媒体では「優良企業」に見える会社が、実は業界内では「隠れブラック」という例が珍しくない。
特に多いのが:
- 社内SEポジション: 「開発環境整備、効率化」という名目で採用されたはずが、実際には既存システムの保守地獄。レガシーコード、保守性最悪なDBスキーマを一人で背負わされる
- ベンチャー企業のCTO直下: 「最新技術で新サービス構築」という触れ込みだが、実際には資金繰りが悪化して、給料遅延、有給取得不可が常態化
- メーカーの組込系開発: 古い開発環境、レビュープロセスが異常に厳しく、残業必須。「堅牢性重視」という名目で、新しい技術導入が一切されない
でも実際には、40年前のレガシーシステムの保守が9割。「最先端のAI」は経営層の掛け声だけで、現場には下りてこない。給料は月30万、賞与は年2回で計4ヶ月分。期待していた700万は実現しなかった。
転職エージェント経由でも、企業からの情報は「いい面」しか聞かない。 だから必ず、転職先企業の現職者か元職者の「実は…」という話を聞き出す必要がある。
デメリット4:転職活動そのものの負荷
これは意外と軽視されるけど、転職活動自体が現職に支障を与えるというリスク。
SES企業の場合、案件に配属されてると、就業時間内に転職活動を進めることはほぼ不可能。
現職のマネージャーには「体調不良で病院に行く」という名目で午後休を入れてたけど、本当はバレてた。「あいつ、転職活動してるな」という目で見られるようになった。
結果として、転職活動中は、メンタルが物すごい疲弊する。仕事はしてるけど、心ここにあらず状態。ミスも増える。
さらに悪いのが、転職がキャンセルになったケース。2社から内定を貰ったけど、条件面で折り合わず、最終的に転職を止めた。でも現職では「あいつは転職活動をしていた人間」というレッテルを貼られて、その後の人間関係が悪くなった。
デメリット5:スキルミスマッチと陳腐化リスク(2026年版)
SES企業にいると、「様々なプロジェクトに携わった」という多様性が武器になる。だが転職先では、その経験が全く評価されないことがある。
その結果、多様な経験が「浅い」と評価される。「Go経験あります」も「本当のプロダクションレベルか?」と疑問符が付く。
さらに2026年の今、新しいリスクが出てきた:AIツール(ChatGPT、Copilot)を使いこなせるエンジニア vs 使えないエンジニアの給与差が急速に広がってる。
転職先が「AI活用を積極的に推進する企業」と「従来型の開発スタイルを守る企業」では、5年後のキャリア価値が大きく異なる。
逆に、「従来型開発」しかしない企業に転職すると、2年後には「このスキル、市場で通用しない」みたいなことになりかねない。
デメリット6:短期離職の経歴リスク
転職した企業が「合わなかった」という理由で、1年以内に辞めるという判断は、その後のキャリアに大きな傷を残す。
ただ、「短期離職」という経歴が次の転職に与える影響を考えると、2年以上は耐えようと判断した。結果、適応障害を発症した。
このように、短期離職を避けるために、現在地で耐える → メンタルに来る というスパイラルが発生する。
さらに今は、短期離職をマイナス評価する企業が増えてる。特に大手企業やメーカーは「採用コストがかかった人間が1年で辞める」ことを嫌う。
結果として、短期離職歴があると、次の転職時に「条件が下がる」「選考で落ちやすくなる」という悪循環。
デメリット7:メンタルヘルスリスク
これが一番危ない。転職は環境激変だ。
転職後3ヶ月は「新しい環境、頑張ろう」というモチベーションがあった。だが半年を過ぎた頃から、人間関係の歪みが顕在化。上司のパワハラ気味の指導、同僚からの陰口、部門内の古い体質…
そういったストレスが、少しずつ蓄積される。最初は「まあ、こういう企業もあるか」くらいの気持ちだったけど、9ヶ月目の時点で、毎朝出勤するのが苦痛になった。
夜中に目が覚める、朝食を食べられない、ミスが増える——これらは典型的な適応障害の初期症状だった。
最終的に、医師から「2ヶ月の休職が必要」と診断されて、休職期間に入った。
給料が高くても、人間関係が最悪、残業が多い、上司が無能——こういう要素が重なると、メンタルはいとも簡単に崩壊する。
特にSES経験が長いSEは、「環境に適応する」「我慢する」というスキルが高い。だから、限界が来るまで「耐える」という判断をしがち。結果、適応障害、うつ病まで行ってしまう。
実例:失敗する転職パターン
ここまでの7つのデメリットを踏まえて、実際の失敗パターンを3つ紹介する。
パターン1:「年収アップ」に釣られた転職
「ついに年収700万台!」と喜んで転職したんだけど、蓋を開けてみると:
- 基本給500万、インセンティブ250万という構成
- インセンティブは「成果主義」という名目で、毎年変動
- 実際には営業成績に左右されるため、年間200万〜280万の間を行き来
- 3年目には「会社の業績悪化」を理由に、基本給が480万に引き下げられた
結果として、現在は年収580万。転職前より20万円少なくなってた。転職にかかった時間と精神的疲労を考えると、本当に失敗した転職だと言ってた。
パターン2:「環境の良さ」を面接での嘘で判断した転職
入社したら、現実は:
- フレックスタイムは「法律的に必要だから」という建前で、実際には「9時半出社が暗黙の了解」
- リモート100%は入社3ヶ月までで、その後は「チームビルディングのため」週3出社に変更
- 最新技術スタックは「経営層の掛け声」で、現場ではレガシーコードばかり
6ヶ月目には「この企業、説明と違う」と気づいたけど、すでに短期離職レッテルを貼られていた。
パターン3:「転職活動中のバレ」によるキャリア損傷
理由は、面接日程の調整で、何度も午後休を入れたこと。上司は察して、最後には直接聞かれた。
結果、その後の評価は最悪に。「会社に対する忠誠心がない」という理由で、昇進の話は無くなったし、案件配属も単価の低いものばかりに。
転職先も決まったから、最終的には転職したけど、「現職を円滑に辞める」という選択肢が奪われた。退職時の人間関係は最悪のままだった。
それでも転職した方がいいSEの特徴4選
特徴1:SES企業の多重下請けで年収が頭打ちになった
逆に、メーカーやユーザー企業なら、「昇進による基本給アップ」という道がある。特に30代後半でマネジメント職に昇進できれば、年収800万以上も現実的。
SES企業で「年収600万が上限」と判断できたら、転職による年収アップは確実。
特徴2:スキル陳腐化のリスクを感じてる
特に2026年の今は、AI・機械学習・クラウドといった最新技術が職人の必須スキルになりつつある。
SES企業でこれらのスキルが身につかない環境にいるなら、積極的に転職して、最新技術を習得できる環境に移るべき。
特徴3:メンタルが限界に達してる
適応障害、うつ病の一歩手前という状態なら、転職は「キャリアアップ」ではなく「心の治療」。同じSES企業でもいいから、とにかく環境を変えるべき。
ただし、その場合は「落ち着いてから」転職活動をすることが重要。メンタルが危機的な状況で転職活動をすると、判断力が曇る。
特徴4:「引き抜き」という確実な転職打診を受けた
理由は、以下の3つ:
- 人間関係が事前に確認されてる ——打診元の企業は、実際に一緒に仕事をした人たちなので、「人間関係ガチャ」の確率が下がる
- 年収交渉が現実的 ——すでに市場価値を知ってる企業だから、「無理な要求」は起きにくい
- 短期離職のリスクが低い ——「こいつを採用する」と決めてる企業だから、採用時の説明と現場のギャップが少ない
僕自身、転職4回の中で「引き抜き」による転職は、2社からのヘッドハンティングが成功体験だった。特に3回目の転職は、前職の取引先から「開発部長やってくれないか」という打診で、その後4年間、年収1200万超えで働けた。
転職前の準備3選(2026年版)
転職することを決めたなら、失敗を最小化するために、3つの準備をしておくべき。
準備1:AIリテラシーと最新技術スタックの習得
だから転職前に、以下を最低限習得しておくべき:
- ChatGPT、Copilotを使ったコード生成、デバッグ
- プロンプトエンジニアリングの基礎
- AI・機械学習の基本概念
- クラウド(AWS、GCP、Azure)の実装スキル
これらを習得してれば、転職面接で「この人は最新技術についていける」と判断される。給与交渉でも有利に働く。
準備2:転職先企業の「本当の評判」を調べる
- OpenWork(旧Vorkers) で、現職者・元職者の口コミを確認
- Twitter/X で企業名を検索して、離職者の本音を探る
- LinkedIn で、その企業を辞めた人と接触を試みて、直接話を聞く
- 転職エージェント経由の紹介では「現職者と会える」かを確認——企業が現職者との面談を拒否する場合は、何か隠してる可能性が高い
特に「人間関係」「残業時間」「メンタルヘルス」に関する情報は、徹底的に収集すること。
準備3:「短期離職の判断基準」を事前に決める
例えば:
- 給料が提示額と異なった場合 ——3ヶ月経過時点で確認して、1年以内に別を探す
- パワハラが常態化してる場合 ——3ヶ月目に相談しても改善しなければ、半年で辞める判断をする
- メンタルに異変を感じた場合 ——医師の診断を受けて、短期離職を辞さない判断
事前に「ここまでなら耐える、ここからは無理」という線引きをしておくと、メンタル崩壊を防ぎやすくなる。
おすすめ転職方法:「引き抜き」が最強である理由
多くのSEは「転職エージェント」を使う。だが僕の経験から言うと、転職成功率が最も高いのは「引き抜き」、次が「人脈からの紹介」。転職エージェント経由は、実は3番目。
なぜか、その理由を説明する。
理由1:人間関係ガチャが最小化される
例えば、俺が3回目の転職した際、前職の取引先から「開発部長をやってくれないか」という打診を受けた。その企業のCEOとは、以前の案件で3年間一緒に仕事をしてた。
だから、採用側は「こざおの仕事ぶり、人格、スキル」を既に知ってる。採用後に「あ、思ってた人と違う」みたいなギャップはない。
一方、転職エージェント経由だと、採用側も求職側も、相手を「面接時の情報」だけで判断する。これが「人間関係ガチャ」を生むわけ。
理由2:年収交渉が現実的
逆に転職エージェント経由の場合は、エージェントが「ここなら落ちにくいから」という理由で、低めの年収提示を勧めてくることがある。
実例として、俺の部下の話だけど、転職エージェント経由では「年収700万」という提示だったんだが、その1ヶ月後に、前職の取引先から「条件は何か?」と直接聞かれて、「年収850万欲しい」と答えたら、OKが出た。
年収150万の差は大きい。これが転職エージェントを経由した場合のロス。
理由3:採用後のサポートが充実する
一方、転職エージェント経由の場合、採用後のフォローは企業次第。ブラック企業の場合は、「採用時の説明と現実が違う」という状況に放置されることもある。
具体的な「引き抜き」を狙う戦略
LinkedIn を活用する ——プロフィールに「現在、転職を検討中」という旨を書いておくだけで、リクルーターからの接触が増える。特にスキルが高いSEなら、月に数件の引き抜き打診が来る。
業界コミュニティに参加する ——技術勉強会、カンファレンスで「顔を売る」。そこで知り合った人が「うちの会社、人足りないんだよね」という話になることは珍しくない。
前職の取引先と関係を保つ ——退職後も、技術的な相談や情報交換を続けておくと、「うちに来ませんか」という打診につながることがある。
こうした工夫をしておくと、転職エージェント経由の「外から呼び込む」のではなく、「引き抜き」という形で、より有利な条件で転職できる。
まとめ:転職は「逃げ」ではなく「選択」で
正直な話、転職は「やった後悔」の方が「やらない後悔」よりもリスク高い。だから、安易に決断すべきではない。
ただし、以下の4つのケースに当てはまるなら、転職は正当な選択肢だ:
- SES企業での年収が頭打ちになってる
- スキル陳腐化のリスクを感じてる
- メンタルが限界に達してる
- 「引き抜き」という確実な転職打診を受けた
そして、転職することを決めたら、以下の3つの準備をしておくこと:
- AIリテラシーと最新技術スタックの習得
- 転職先企業の本当の評判調査
- 短期離職の判断基準を事前に決める
そして何より、転職エージェント経由ではなく「引き抜き」を狙う——これが転職成功の鍵。
この記事が、何かの参考になれば幸いだ。
転職をサポートするおすすめサービス
転職を決めた場合、以下の3つのサービスが役立つ。ただし、転職エージェント経由ではなく「引き抜き」を狙う戦略の中で活用することをおすすめする。
1. LinkedIn(リンクトイン)
URL: https://jp.linkedin.com
特徴: 業界内での「人脈形成」と「引き抜き打診」を受け取るプラットフォーム。プロフィールを充実させると、スカウト件数が増加。転職エージェント経由よりも、質の高い企業からの接触が期待できる。
活用法: 「スキル」「経歴」を詳しく書いて、「Open to Work」フラグを立てておく。すると、リクルーターからのアプローチが自然に増える。
2. OpenWork(旧Vorkers)
URL: https://www.openwork.jp
特徴: 企業の「本当の評判」を知るための情報源。現職者・元職者による口コミが充実。給料、残業、人間関係、メンタルヘルスに関する情報が豊富。
活用法: 転職候補企業を見つけたら、必ずOpenWorkで評判をチェック。特に「人間関係」「残業」「やめた理由」というカテゴリに注目すること。評判が悪い企業は、避けるべき。
3. リクルートエージェント
URL: https://www.recruit.co.jp/
特徴: 日本最大級の転職エージェント。多数の企業情報を保有しており、初期段階での「転職市場の相場感」を知るには有効。ただし、先述の通り、エージェント経由の条件交渉は不利に働くことが多い。
活用法: 「引き抜き」を狙いながらも、「バックアップ案」として複数社の面接を並行させたい場合に活用。ただし、内定後の条件交渉は「エージェントを経由せず、企業と直接」という戦略が有効。
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