ブラック企業を見分ける上でも、教育制度が充実しているかどうか?は重要な判断ポイントとなります。
この記事では『【現役IT部長が解説】教育制度・環境が整っているIT企業の見分け方とは?』をテーマに解説します。
記事を読む前のチェックリスト
- 研修期間が1か月以内だった
- 現場に配属後、定期的なフォローが無い
- 外部研修、eラーニングの環境が無い
- 資格取得の書籍購入費、受験費用の補助がない
- 成長している気が全くしない
もし、1つでも該当するかも?と感じたなら、この記事を最後までしっかりと呼んでください。
この記事を読むと分かること。
✅ 教育制度・環境が整っているIT企業の特徴
この記事の要約
また、中小IT企業における教育制度・環境が整っているポイント3選についても具体的に解説をしています。
IT企業で教育制度・環境が整っていないとヤバい理由

IT業界は最新技術が常にアップデートされる世界です。
生成AIの誕生により、そのスピードは異次元となった、といっても過言ではないでしょう。
そんなIT業界で生き残り続けるには、成長をし続ける必要があります。
なぜなら、顧客が求めることも高度になり、その要求に応えられる技術者でなければ評価されないから。
あなた自身が学び続ける意識を持つことは必要ですが、個人では限界があります。
学ぶにはお金が掛かるので、ある程度は会社からの支援が無ければ継続的に学び続けることも難しくなります。
また、会社としても社員を育てることで会社の価値が上がる訳なので、教育への投資を検討することは当たり前のこと。
でも‥‥投資にはお金が掛かるので、経営者視点で言うと削減したいと考えるのも当然。
だからこそ、どの程度教育への投資を行っているのか。環境が整っているのか、を見極めることが重要です。
まず、IT企業において、教育制度や教育環境が整っていないとなぜマズイのか?その理由を解説します。
- 給与が上がらない(年収が低い)
- 選択肢が狭まる(キャリアパス)
- 50代以降で仕事がなくなる(クビになる)
主にこの3つです。
結論としては、ブラックIT企業で搾取されながら、低賃金で働き続けるしかない。という結果になります…。
給与が上がらない(年収が低い)
教育制度・環境が整っていないので、スキルアップできない環境です。
現場での業務を経験することでしかスキルが身につきません。
スキルがアップしなければ、成果を出すことも難しいため報酬も上がりにくくなってしまいます。
例えば、IT業界の経験が5年のAさんと、Bさんがいたとします。経験、スキルは以下の通り。
Aさんのスキル
・基本設計~結合テストまでを経験
・資格:基本情報、応用情報
・その他:自己学習でクラウド系の環境で開発中(アプリ開発)
Bさんのスキル
・設計、開発は未経験
・資格:なし
・その他:なし
どうですか?あなたが仕事を発注する側として、Javaの開発プロジェクトとして設計からアサインするケースで、AさんとBさんに同じ単価で仕事を投げたいと思いますか?
答えはNoですよね。
会社としても、顧客に提示する単価は全く変わってきます。
単価が変わるということは…当然ですが、給与も変わってくるということです。同じ年齢、経験年数だったとしても、です。
選択肢が狭まる(キャリアパス)
成長できなければ、キャリアパスの選択肢も狭まります。
社内で出世を目指す上でも、転職でより給与が高い会社を目指すにしても、新しい言語を極めて特化した会社への入社を目標とする場合でも(例えば、生成AIに特化した会社)、所属している会社に教育環境・制度が整っていないと実現は厳しいものとなります。
50代以降で仕事がなくなる(クビになる)
なぜ、そう感じているか?というと、SESの中小IT企業に勤めている仕事柄、要員の募集を定期的に行っています。
顧客からの増員依頼があった時に、自社の社員だけでは賄いきれないので、協力会社に募集を掛ける訳です。
その際に、50代以降のエンジニアの応募がここ数年一気に増えた印象があります。
で、ですね。正直な話をすると、現場の意見ですよ。
出来れば若い方が良いんですね。もちろん、経験豊富なエンジニアの方向きの仕事もありますよ。
でも、設計工程、開発工程などは可能なら若い方が良い。
その理由は、リーダー、サブリーダーも30代の若い子が多いから、という部分が大きいです。
今後、さらに高齢のエンジニアが増えて、溢れてきてしまう気がしています。
そこで重要なのが、経験値・スキルなんですね。
最先端の技術をアップデートしているなら、何歳になっても引く手あまたでしょう。
でも、PMOしかできない、とか、Cobolしかできない、とか。だと、ちょっと厳しいと思いますね。
教育制度・環境が整っていないとヤバい理由3選はこちら
✅ 選択肢が狭まる
✅ 50代以降で仕事がなくなる
教育制度・環境が整っているIT企業の特徴
研修制度の充実度

入社時だけでなく、継続的に学べる仕組みがあるかを確認しましょう。
- 新人研修前後のフォローアップ研修
- 専門技術ごとの研修(クラウド、AI、セキュリティなど)
- 外部セミナーや資格取得の補助制度
「入社して終わり」「現場に配属して終わり」ではなく、成長に合わせた学びを支援しているかがポイントです。
社内勉強会・コミュニティの活発さ

鬼のモチベーションがあるなら別ですが、一人で勉強し続けるのは至難の業です。
だからこそ、”みんなで同じ目標に向かって頑張る環境”が大事なのです。
目標はもちろんスキルアップすることで顧客からの評価を得て単価アップを勝ち取る。結果として給与(年収)アップを実現すること、です。
エンジニア同士で知識を共有できる文化があるかどうかを見極めましょう。
- 定期的な勉強会やハッカソンの開催
- 社内Wikiやナレッジベースの整備
- 外部イベントでの登壇・発表を奨励しているか
知識共有の「場」が整っている企業は、スキルアップに直結します。
キャリアパスと成長支援制度

ロクな教育期間もなく現場に放り投げて放置。現場が続く限り自社に戻ることも、上司と定期的に会話することもない。
こんな企業な避ける必要があります。
会社、部門として目指すべき未来が明確にあり共有されていること。
それを実現するためには、エンジニア個人がどう成長していくべきかも明示されていること。
その成長をサポートし、定期的にフォローアップする環境が整っていることが重要です。
- メンター制度の有無
- キャリア面談や定期フィードバック
- 新しい分野へ挑戦できる社内公募制度
社員が自分の将来像に合った成長を描ける環境がある企業は安心です。
学習への投資姿勢

教育制度・環境を整えるにはお金が掛かります。しかも膨大な資金が必要です。
- 教育・人事担当者を採用する
- eラーニングや外部スクールと契約する
- 資格受験に関わる費用を出す
少なくとも、これらの費用が掛かってくるわけです。
しかも、教育担当は非生産部門なので、直接売り上げを上げることは無いので、経営者としてはできれば削減したいと考えるもの。
環境を整えて資格を取得したとたん退職をしたり、勉強したからと言って確実に成果がでるかといわれると、微妙なラインだったりもするわけです。
それでも、社員の成長=会社の成長と捉えて投資に前向きになっている会社は正しいです。
その上で、企業がどの程度、社員の学習を支援しているかを確認しましょう。
- 書籍購入や資格試験費用の補助
- eラーニングや外部スクールの受講支援
- 勤務時間内に勉強時間を確保できる制度
「学びは個人任せ」ではなく、企業が積極的に投資しているかが鍵です。
まとめ
いかがでしたか?
IT企業に教育制度・環境が重要であることは理解できたかなと思います。
IT企業で教育制度・環境が整っていないとヤバい理由
- 給与が上がらない(年収が低い)
- 選択肢が狭まる(キャリアパス)
- 50代以降で仕事がなくなる(クビになる)
教育制度・環境が整っているIT企業の特徴
- 研修制度の充実度
- 社内勉強会・コミュニティの活発さ
- キャリアパスと成長支援制度
- 学習への投資姿勢
スキルアップには環境が必要で、その環境を整備するためには投資が必要であること。
投資には失敗もつきものであることを理解し、積極的に環境を整える行動をしていること。
結果として社員が自発的に行動し、成長することでスキルが向上し現場での評価にもつながる。それイコール会社としての価値を向上させることにつながり、継続的に売上・利益を上げ続ける好循環に貢献していることを理解している経営陣であること。
ここを見極めることがブラックIT企業で搾取されない考え方なのかな、と思っています。
最後にもう一度。もし、1つでも該当するかも?と感じたなら、、、
チェックリスト
- 研修期間が1か月以内だった
- 現場に配属後、定期的なフォローが無い
- 外部研修、eラーニングの環境が無い
- 資格取得の書籍購入費、受験費用の補助がない
- 成長している気が全くしない
転職活動を開始することをおすすめします。
あなた自身が成長する意識を持ち行動することは大事ですが、会社に投資をする意識が無ければ継続はできません。
社員に投資し、ともに目指すべき場所へ伴奏してくれる会社に所属するべきです。
