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SESはやめとけと言われる理由7選|SES企業の部長が業界の裏側を本音で暴露

SES(エスイーエス)はやめとけ
SESはブラック企業ばかりなの…?
SESはヤバい

 

こざお
この記事では、IT部長として15年以上SES業界を内側から見てきた管理人が、採用側・現場側の両方の視点からSESの真実をお伝えします。

私はSESの中小企業で部長として15年以上働いています。自社では採用活動にも関わり、エンジニアとして常駐してシステム開発のプロジェクトに携わっています。

つまり、SES会社に勤めているエンジニアの人間です。

この立場から正直に言わせてもらうと、「SESはやめとけ」という意見には一理あります。ただし、すべてのSESが悪いわけではありません。問題は業界の構造そのものにあり、その構造を理解しないまま飛び込むと痛い目を見る、というのが本音です。

この記事では、転職サイトや人材紹介会社のポジショントークではなく、IT部長として実際にSES業界を内側から見てきた経験に基づいて、SESがやめとけと言われる本当の理由をお伝えします。あわせて、それでもSESを選ぶ場合に知っておくべきこと、優良企業の見分け方SESからのキャリアアップ戦略まで踏み込んでいきます。

 

この記事を読むと分かること

  • SES(システムエンジニアリングサービス)の仕組みと、派遣・受託・自社開発との違い
  • SESはやめとけと言われる具体的な理由7つ(多重下請け・スキル停滞・孤独感など)
  • SES企業の部長だからこそ語れる業界の裏側と管理職のリアルな本音
  • それでもSESを選ぶ場合のメリットと活用法
  • ブラック企業を避けるための優良SES企業の見分け方7つのチェックポイント
  • SESから脱出するための具体的なキャリア戦略3ステップ
  • SESに向いている人・向いていない人の特徴
  • AI時代におけるSES業界の将来性

 

この記事の要約「SESはやめとけ」と言われる背景には、多重下請けによる給料の搾取、スキルアップできない案件への配属、客先での「外部の人間」扱い、偽装請負リスクなど構造的な問題があります。SES企業の部長として50人以上のエンジニアを管理しながら、自らも現場に常駐する管理人が、SES業界の裏側をリアルに解説。ただし、すべてのSESが悪いわけではなく、優良企業を見極め、明確なキャリアプランを持って「2〜3年の踏み台」として戦略的に活用すれば、未経験からIT業界へ入る有効な入口になり得ます。本記事では優良企業の見分け方7つのチェックポイントや、SESからのキャリアアップ戦略まで具体的に解説しています。

目次

そもそもSESとは?仕組みを正しく理解しよう

SES(システムエンジニアリングサービス)の基本構造

SESとは「System Engineering Service」の略で、IT企業がクライアント企業に対してエンジニアの技術力を提供する契約形態のことです。準委任契約に基づき、エンジニアはクライアント先に常駐して業務を行います。

ポイント:SESは「成果物」ではなく「労働力の提供」に対して報酬が支払われます。つまり、プロジェクトが成功しようが失敗しようが、エンジニアが稼働した時間に対して対価が発生します。
こざお

SES企業の部長として言えば、私たちは「エンジニアをクライアント企業に常駐させ、その対価として月額単価をいただく」というビジネスモデルで経営しています。つまり、エンジニアが稼働していなければ売上が立たない。ここにSES企業のビジネスの本質と、構造的な問題の根っこがあります。

 

SES・派遣・受託開発・自社開発の違い

IT業界で働く形態は主に4つあります。混同されがちなので整理しておきます。

  • SES(準委任契約):クライアント先に常駐して技術サービスを提供。指揮命令権はSES企業側にあり(建前上)、成果物の完成義務なし
  • 派遣:派遣先企業に指揮命令権がある。実態としてはSESと派遣の境目が曖昧なケースも多く、「偽装請負」問題につながることも
  • 受託開発:クライアントから開発案件を丸ごと請け負い、自社内で開発。成果物の納品義務あり
  • 自社開発:自社のサービスやプロダクトを自ら企画・開発。エンジニアにとって最も裁量が大きく、やりがいを感じやすい

 

こざお
私自身、SES企業のエンジニアとしてクライアント先に常駐しながら、同時に部長として50人以上のエンジニアの管理もしています。この「現場のプレイヤー」と「管理職」の二足のわらじを履いているからこそ、SES業界の構造的な問題が肌感覚でわかります。

SESはやめとけと言われる理由7選【SES企業の部長が本音で語る】

理由①:多重下請け構造で給料が搾取される

これがSES最大の問題点です。SES企業の部長として自社の経営構造を内側から見ているからこそ、この闇の深さは痛いほどわかります。

SES業界では、元請け→二次請け→三次請け→四次請けと、案件が下に流れるたびに各社がマージン(中間搾取)を抜いていきます。

多重下請けの実態:クライアントがエンジニア1人に月80万円払っていても、間に2〜3社挟まれると、最終的にエンジニアの所属企業に届くのは50〜60万円程度。そこからさらに自社のマージンを引くと、エンジニア本人の月給は25〜35万円程度になるケースが普通にあります。

部長としてエンジニアの給与テーブルや案件の単価を把握している立場から言えば、商流が深い案件ほどエンジニアの取り分は確実に減ります。自社が二次請け・三次請けの案件では、どうしてもエンジニアに還元できる金額に限界がある。これは経営判断としてどうにもならない部分があり、管理職として非常にもどかしい。

 

こざお
自分自身もSESエンジニアとして常駐している立場なので、この構造の理不尽さは身をもって感じています。優秀なエンジニアが正当な対価を受け取れていない現実は、業界にいる人間として本当に歯がゆいです。

理由②:スキルアップできる案件に配属されるとは限らない

SESエンジニアのスキルアップは、配属される案件によって天と地ほどの差が出ます。そして、どの案件に配属されるかは自社の営業力と交渉力次第であり、エンジニア本人の希望が通るとは限りません。

部長として50人以上のエンジニアの案件配属を管理している立場から正直に言えば、全員の希望を叶えることは不可能です。上流工程の設計案件をやりたいエンジニアは多いですが、そういう案件はスキル要件が高く、数も限られている。結果として、テスト工程やドキュメント整理といった案件にアサインせざるを得ないケースが出てきます。

注意:単純作業ばかりの案件に長期間配属され続けると、エンジニアとしての成長が完全に止まります。IT業界は技術の進歩が速く、1〜2年スキルアップの機会がなければ市場価値は目に見えて下がります。

SES企業にとっては「エンジニアを案件にアサインして稼働させること」が売上に直結します。エンジニアのキャリアパスよりも、空いている案件に人を埋めることが優先されてしまう構造があるのは事実です。部長として「この人にはもっと成長できる案件を」と思っても、営業が取ってくる案件の中に適切なものがなければどうしようもない場面もあります。

理由③:客先での立場が弱い「外部の人間」扱い

これは自分自身がSESエンジニアとして客先に常駐しているからこそ、痛いほどわかる問題です。

SESエンジニアは、どれだけ優秀でも「外部の人間」です。クライアント企業の正社員とは明確に区別されます。

  • 重要な会議には呼ばれない
  • 社内システムへのアクセス権が制限される
  • 社内イベントには参加できない
  • 景気が悪くなれば真っ先に契約を切られる

私は部長という立場もあるので、クライアント側のマネージャーとある程度対等にやり取りできますが、若手のSESエンジニアはそうもいきません。同じオフィスで同じ仕事をしているのに、自分だけ「お客さん」のような微妙な立場に置かれる。チームの一員として認められにくい。この疎外感は、長期間続くとモチベーションに大きく影響します。

こざお
部長として部下のエンジニアから「現場で孤立してつらい」という相談を受けることは少なくありません。管理職としてフォローはしますが、SESの構造上、完全に解消するのは正直難しいのが現実です。

理由④:偽装請負のリスクが常につきまとう

SES契約は準委任契約であり、指揮命令権はSES企業側にあるのが法律上の建前です。しかし現実には、クライアント企業の社員がSESエンジニアに直接指示を出すケースが横行しています。

これが「偽装請負」と呼ばれる違法状態です。

SES企業の管理職として正直に言えば、この問題は業界全体に根深く存在しています。自分自身が常駐している現場でも、クライアント側のPMから直接指示を受ける場面は日常的にあります。現場の効率を考えると、毎回自社の管理者を通すプロセスを厳密に守るのは非現実的。結果として、多くの現場で「事実上の派遣」状態が暗黙の了解となっています。
こざお
部長として部下のエンジニアを守る立場からすれば、偽装請負は絶対に放置してはいけない問題です。しかし、クライアントに強く言えば案件を切られるリスクもある。この板挟みは、SES企業の管理職が常に抱えるジレンマです。

理由⑤:帰属意識が育たず孤独を感じやすい

SESエンジニアは、自社のオフィスで働くことがほとんどありません。入社後すぐに客先に常駐し、同じ会社の同僚とは月に一度の帰社日でしか顔を合わせない——というのが典型的なパターンです。

部長として50人以上のエンジニアを管理していますが、正直なところ全員と十分なコミュニケーションが取れているかと言えば、自信はありません。

  • 困ったことがあっても相談する相手が近くにいない
  • 自分の評価がどうなっているのかもわからない
  • 会社への帰属意識が薄れる
  • 「自分は何のために働いているのか」と悩む

特に未経験からSESに入った若手エンジニアにとって、この孤独感は深刻です。技術的な壁にぶつかったとき、気軽に質問できる先輩がそばにいない。客先の社員に聞くにしても、遠慮があって積極的に質問できない。部長として定期的な面談やチャットでのフォローを心がけていますが、SESの構造上、物理的に離れている部下のケアには限界があります。

 

こざお
私が意識していることは、現場リーダーの育成です。現場がバラバラだからこそ、リーダーを育て若手から中堅までコミュニケーションを密にとり孤立しないように指導しています。

理由⑥:経歴が「案件の羅列」になりキャリアが積み上がらない

SESエンジニアの経歴書を見ると、「○○社にて○○システムの開発に従事(6ヶ月)」「△△社にて△△プロジェクトのテスト工程を担当(3ヶ月)」といった案件の羅列になっていることが多いです。

部長の本音:部下のエンジニアの経歴書を作成する機会は頻繁にありますが、短期案件が続いているエンジニアの経歴書はクライアントへの提案時にも不利になります。「この人は何が得意で、何を深くやってきたのか」が見えないと、高単価の案件にアサインするのが難しい。結果的に低単価案件の悪循環に陥ります。

自社開発や受託開発で1つのプロダクトに長期間関わってきたエンジニアは、具体的な実績を語れます。この差は、エンジニアとしての市場価値に直結します。

SESの短期案件を繰り返すことで「幅広い経験」を得られるという見方もありますが、それはあくまで「浅く広い」経験に過ぎません。年齢が上がるにつれ、市場が求めるのは「深い専門性」です。

こざお
私が部下に伝え続けていることは「成長意欲を持ち続けること」です。特に若手から中堅には資格取得を積極的に推進し、皆が当たり前に勉強する環境づくりを意識しています。もちろん、結果が出れば評価に直結する仕組みも、です。

 

理由⑦:ブラックSES企業が未経験者を食い物にしている

SES業界で最も深刻な問題は、未経験者をターゲットにしたブラック企業の存在です。

ブラックSES企業の典型的な手口:

  • 「未経験OK」「研修制度充実」「手に職をつけよう」と甘い言葉で人を集める
  • ろくな研修もなく客先に送り込む
  • 送り込む先はITとは名ばかりのコールセンターやヘルプデスク、データ入力
  • エンジニアが辞めても次の未経験者を補充する「使い捨て」の構造

同じSES業界にいる人間として、こうした企業の存在は本当に腹立たしい。まともに研修制度を整え、エンジニアの成長に投資している企業まで「SESはブラック」と一括りにされてしまうからです。

部長として採用活動にも関わっていますが、ブラックSES企業を辞めて転職してくるエンジニアの面接をすることがあります。入社して1年なのにプログラミングの基礎すらわからない。聞けば「研修は3日間のビジネスマナー講座だけだった」と。こうした企業が業界の信頼を壊しているのは間違いありません。

こざお
過去に出会ったブラック企業に勤めている会社員は、30歳で年収200万、38歳で年収310万など、あり得ないほどの低賃金で働いているケースがありました。

 

SES企業の部長だからわかる「業界の裏側」——管理職のリアルな本音

SES企業がエンジニアを客先に送る本当の理由

SES企業のビジネスモデルは非常にシンプルです。エンジニアをクライアント企業に常駐させ、月額単価をいただく。エンジニアが稼働していれば売上が立ち、稼働していなければ(いわゆる「アベイラブル」)人件費だけがかかる。

SES企業の経営の現実:中小SES企業にとって、エンジニアが1人でも「アベイラブル」になると経営への影響は大きい。だからこそ、できるだけ早く案件にアサインしたいという圧力が常にかかります。エンジニアのキャリアよりも稼働率を優先してしまう構造は、SES企業の宿命とも言えます。

部長としてこのジレンマは日常的に感じています。部下のエンジニアに最適な案件を探してあげたい。でも、アベイラブルが長引けば経営が圧迫される。この板挟みがSES企業の管理職の現実です。

こざお
私の会社は、1次請けまたは2次請けがほとんどなので恵まれている環境ではあります。チームでの稼働がほとんどなので、社員1人で現場に放り込まれて放置、というケースはほとんどありません。ただし、協力会社から提案される要員を見ていると、稼働率を優先している会社がほとんどだと言えます。

単価交渉の裏側——エンジニアの給料が上がらない仕組み

SES企業の部長として、クライアントとの単価交渉は重要な仕事の一つです。その中で見えてくるのは、単価を上げることが想像以上に難しいという現実です。

クライアント企業も予算は限られています。「今の単価じゃないと契約更新しない」と言われれば、営業としては飲まざるを得ないケースが多い。単価アップを強く要求すれば、契約を切られて他社のエンジニアに切り替えられるリスクがある。

SESで年収が上がりにくい構造:エンジニアの給料を上げるには、クライアントから単価アップを勝ち取る必要があります。しかし、単価交渉は常にリスクと隣り合わせ。結果として、エンジニアの給料は据え置きになりがちです。管理職として部下のエンジニアの昇給を実現したいのに、単価が上がらなければ原資がない——これが偽らざる現実です。
こざお
だからこそ、多重下請け構造の上流に位置している会社であること、営業力が強い会社に所属することが何よりも大事なことです。私がメインで取引している上場企業は、直接取引(1次請け)で、役員クラスとも交流があり単価交渉や増員交渉も比較的通しやすい環境です。

優秀なエンジニアほど離れていく現実

SES企業の管理職として最もつらいのは、せっかく育てた優秀なエンジニアが退職していくことです。

優秀なエンジニアは客先で実力を認められ、クライアント企業から直接雇用のオファーを受けることがあります。あるいは、SESの限界を感じて自社開発企業や大手SIerに転職していく。部長として引き止めたい気持ちはありますが、SES企業の構造上、好条件を提示できる限界があることも事実です。

この「優秀な人から抜けていく」構造は、SES企業にとって最大の経営課題です。結果として、残ったエンジニアへの負担が増え、サービス品質が低下し、さらに離職が進むという悪循環が生まれます。
こざお
これは、私の会社でも常に悩みの種です。優秀な社員は入社後3年程度で必ず退職の相談があるほどです。まぁ、私の場合はSES事業の脱却等目指している未来が明確で、それを伝えることでほとんどが思いとどまってくれるのですけど。

それでもSESを選ぶメリットはあるのか?

未経験からIT業界に入る「入口」としてのSES

ここまでSESの問題点を述べてきましたが、公平を期すために言えば、SESにもメリットはあります。最大のメリットは、未経験者がIT業界に足を踏み入れるハードルが低いことです。

自社開発企業や有名SIerは、未経験者の採用に極めて慎重です。実務経験やポートフォリオが求められることがほとんどで、完全未経験から入社するのは現実的ではありません。

一方、SES企業は未経験者を積極的に採用しています。部長として採用活動に関わっている立場から言えば、未経験者を受け入れてしっかり育てることは、SES企業にとっても重要な投資です。まともな研修制度を持ち、段階的にスキルアップできる環境を整えている優良SES企業は確実に存在します。

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SES企業の部長としての考え:未経験からIT業界を目指すなら、SESを「2〜3年の踏み台」として戦略的に活用するのは悪くない選択です。実際に、うちの会社でも未経験から入社して3年後にはチームリーダーを任されるまで成長したエンジニアもいます。ただし、「どのSES企業に入るか」で結果は天と地の差になります。

さまざまな現場を経験できる

SESでは、複数の企業のプロジェクトに参加できます。

  • 大手企業の開発現場
  • ベンチャー企業のアジャイル環境
  • 官公庁のシステム
こざお
私自身、SESエンジニアとして大手メーカーや金融機関などさまざまな現場を経験してきました。この多様な経験は、部長として全体を俯瞰する力につながっています。意識的にキャリアを設計すれば、SESでの経験は将来の大きな武器になり得ます。

人間関係のリセットがしやすい

案件が変われば職場環境も変わります。もし現場の人間関係がつらい場合、案件の切り替えが一種のリセットになります。正社員だと異動を申し出ても通るとは限りませんが、SESなら数ヶ月〜1年で環境が変わることが多いです。

こざお
部長として部下のエンジニアから「現場の人間関係がつらい」と相談を受けた場合、案件変更の調整をすることもあります。これはSESならではの柔軟性と言えます。

優良SES企業の見分け方——SES企業の部長が教える7つのチェックポイント

SESを選ぶ場合、最も重要なのは「どの企業に入るか」です。同じSES業界にいる人間として、優良企業とブラック企業の差は本当に大きい。SES企業の内側を知っている部長だからこそ言える、見分けるためのポイントを解説します。

チェック①:案件の商流(一次請け比率)を確認する

最も重要なチェックポイント:そのSES企業が、エンドクライアントから直接案件を受けている(一次請け)か、他のSIerやSES企業を経由して案件を受けている(二次請け以降)かを確認してください。一次請けの比率が高い企業ほど、中間マージンが少なく、エンジニアの取り分が多くなります。

面接時に「御社の案件の何割が一次請けですか?」と聞いてみましょう。答えを濁す企業は要注意です。

チェック②:エンジニアの還元率を公開しているか

優良SES企業の中には、「クライアントからの単価に対して、エンジニアに○○%還元します」と明示している企業があります。還元率が65〜80%程度であれば優良と言えます。逆に還元率を公開していない企業は、搾取構造の可能性が高いです。

こざお
業界の平均年収を知っておくことも重要です。以下にSESエンジニアの年代別平均年収を記載しています。この年収から逸脱している場合はブラック企業認定で大丈夫です、、。

チェック③:案件の選択権があるか

エンジニア自身が案件を選べるか、少なくとも拒否権があるかどうかは非常に重要です。部長として言えば、エンジニアのキャリア希望を聞かずに案件を押し付ける企業は、エンジニアを「駒」としか見ていません。

こざお
最低年2回程度は上司との面談があり、キャリアプランなど会話しながら案件についても相談できる環境が普通の優良SES企業にはあります。ただ…面談をする立場から言わせてもらうと、これがマジで大変なんす。適当にはできないので、かなりのエネルギー消費します。(ここだけの話)

チェック④:研修制度とキャリア支援の実態

「研修制度あり」と書いてあっても、内容はピンキリです。確認すべきポイント:

  • 具体的に何日間の研修があるのか
  • 内容はビジネスマナーだけでなく技術的な研修が含まれているか
  • 資格取得支援があるか
  • 受験費用や書籍購入費を会社が負担してくれるか
  • 外部研修やeラーニングの環境があるか
部長の経験:うちの会社でもエンジニアに資格取得を奨励し、受験費用を負担しています。こうした投資をしている企業は、エンジニアを「使い捨て」とは考えていない証拠です。

チェック⑤:エンジニアの平均勤続年数

ブラックSES企業は離職率が非常に高いです。平均勤続年数が2年未満の企業は要注意。逆に、3年以上の平均勤続年数がある企業は、エンジニアがある程度満足して働いている証拠です。

チェック⑥:自社開発や受託開発の案件もあるか

SES一本の企業よりも、自社プロダクトや受託開発案件も持っている企業の方が安定しています。SES案件が途切れた場合でも、自社案件に参加できるため、待機期間(アベイラブル)のリスクが軽減されます。

こざお
私の会社でも一部は受託案件を行っていますが、SES90%以上なのが現実です。自社プロダクト開発に向け色々とチャレンジしていますが、実現できていません…(涙)

チェック⑦:口コミサイトやSNSでの評判

OpenWorkや転職会議などの口コミサイトで、実際に働いている(いた)エンジニアの声を確認しましょう。特に以下の口コミは参考になります:

  • 案件の選択権について
  • 給与の透明性について
  • 帰社日のコミュニケーションについて
  • 上司(管理職)のフォロー体制について

ただし、口コミは極端な意見に偏りやすい点に注意してください。良い口コミと悪い口コミの両方を読んだ上で、総合的に判断することが大切です。

SESから脱出するためのキャリア戦略

現在SESで働いていて「やめたい」と思っている方に向けて、SES企業の部長兼現役エンジニアの視点から現実的なキャリア戦略をお伝えします。

ステップ①:まず現場で実績を積む(1〜2年目)

いきなりSESを辞めるのではなく、まずは今の環境で得られるものを最大限吸収してください。

 

  • 任された作業を完璧にこなすだけでなく、周辺知識を自主的に学ぶ
  • テスト工程を担当しているなら、テスト対象のシステム全体の設計を理解する
  • 客先の正社員がどんな仕事をしているか観察し、自分に足りないスキルを明確にする

 

こざお
私は部長として部下のエンジニアを常に見ています。主体性のあるエンジニアは必ず目に留まります。そういうエンジニアには良い案件を優先的にアサインしたいと思うし、クライアントからの評価も高い。まずは「この人に任せたい」と思わせるエンジニアになることがキャリアアップの第一歩です。

ステップ②:資格とポートフォリオで市場価値を可視化する(2〜3年目)

SESの経歴だけでは転職市場で勝負しにくい。だからこそ、資格とポートフォリオで自分の実力を証明する必要があります。

おすすめの資格:

  • 基本情報技術者試験(FE)
  • 応用情報技術者試験(AP)
  • AWS認定資格(特にクラウド系は市場価値が高い)
  • LinuC(Linux技術者認定)

 

ポートフォリオは、個人開発のWebアプリやGitHubで公開しているコードなど、実際に動くものがベストです。業務外の時間で個人プロジェクトを進めましょう。

ステップ③:転職先を戦略的に選ぶ(3年目以降)

SESからの転職先として現実的な選択肢:

  • 他の優良SES企業への転職:還元率が高い企業に移るだけで年収が50〜100万円上がることも
  • 中小の受託開発企業(SIer):SESで複数の現場を経験していることがプラスに。実務経験2〜3年あれば十分チャンスあり
  • 社内SE(事業会社の情報システム部門):SES出身で多様な現場を経験しているエンジニアは、さまざまなシステムやベンダー対応の経験が活きる
  • 自社開発企業:しっかりとしたポートフォリオと受託開発での実績を経てからが現実的

 

SESに向いている人・向いていない人

SESに向いている人の特徴

SES企業の部長として多くのエンジニアを見てきた経験から、SESで成功しやすい人の特徴をお伝えします。

  • コミュニケーション能力が高い人:案件ごとに職場環境が変わるため、新しい環境にすぐ馴染める対人スキルが重要。技術力がそこそこでも、コミュニケーション力の高いエンジニアはクライアントから高い評価を受ける
  • 自走力のある人:SESでは上司や先輩が常にそばにいるわけではない。わからないことは自分で調べ、必要なスキルは自主的に学ぶ力が不可欠
  • 明確なキャリアプランを持っている人:「SESは2〜3年で卒業し、次は○○を目指す」という目標があれば、SESの環境をうまく踏み台にできる

SESに向いていない人の特徴

  • 環境の変化に弱い人:数ヶ月〜1年ごとに職場が変わるストレスは、人によっては大きな負担に
  • 1つのプロダクトに深く関わりたい人:自分の作ったものに愛着を持ち、長期的に育てていきたいタイプは、自社開発や受託開発の方が向いている
  • 受け身な人:「言われたことだけやっていればいい」という姿勢では、低単価の案件をたらい回しにされるリスクが高まる
重要:SESで最も危険なのは「漫然と続けること」です。向いている人であっても、明確な目標なくSESを続けていると、キャリアが停滞します。部長として部下を見ていても、目標を持って動いている人と、流されている人では3年後の成長に圧倒的な差がつきます。

2026年以降のSES業界の将来性

IT人材不足はSES業界の追い風か?

経済産業省の推計によれば、2030年には最大79万人のIT人材が不足すると言われています。

人材不足で求められているのは「高度なスキルを持つエンジニア」であり、「誰でもできる作業をこなす人材」ではありません。SES業界の中でも、上流工程を担える高スキルエンジニアを抱える企業は今後も成長するでしょう。一方、低スキル人材を低単価で回すだけのブラックSES企業は、淘汰されていく可能性が高いです。

こざお
生成AIの登場でIT業界を取り巻く環境も目まぐるしく変わっています。ブラックSES企業が淘汰される流れはより早くなると見ています。「高度なスキルを持つエンジニア」を戦略的に目指していけば、問題なくSES企業で生き残れます。

AIの進化がSESに与える影響

ChatGPTをはじめとするAI技術の進化は、SES業界にも大きな影響を与えています。特に以下の定型作業は、AIに代替されるリスクが高まっています:

  • テストケースの作成
  • ドキュメント整理
  • 簡単なコーディング
  • データ入力・整理作業
警告:SESで多い業務はまさにこうした定型作業です。AI時代において、SESで生き残るためには、AIでは代替できない「要件定義」「設計」「コミュニケーション」といった上流スキルの習得が不可欠です。

SES企業の部長としても、AIツールの活用によって従来SESエンジニアに依頼していた作業の一部を効率化する動きは実感しています。5年後、10年後を見据えたとき、スキルアップを怠ったSESエンジニアの居場所は確実に減ると見ています。

 

まとめ:SESを選ぶかどうかは「戦略」次第

「SESはやめとけ」という意見には、確かな理由があります。

SESがやめとけと言われる理由まとめ:

  • 多重下請け構造による搾取
  • スキルアップの機会の不均等
  • 客先での弱い立場
  • 偽装請負のリスク
  • 孤独感・帰属意識の欠如
  • キャリアの積み上がりにくさ
  • ブラック企業の存在

しかし、SES企業の部長として、そして現役のSESエンジニアとして言えるのは、SESそのものが悪なのではなく、「戦略なくSESに飛び込むこと」が問題だということです。

 

こざお
部長からのアドバイス:優良なSES企業を選び、明確なキャリアプランを持ち、2〜3年で次のステップに進む。この戦略が描けるなら、SESは未経験からIT業界に入るための有効な入口になり得ます。

逆に、何も考えずに「未経験OK」の甘い言葉に釣られてブラックSES企業に入ってしまえば、貴重な時間とキャリアを失うことになります。

この記事が、SESに対する正しい理解と、あなたのキャリア判断の一助になれば幸いです。IT業界には多くの選択肢があります。自分の将来を自分で設計する意識を持って、最善の一歩を踏み出してください。