生成AIで高配当株分析を半自動化する方法|IT部長が実践する「調べる時間」を減らす仕組み

「高配当株のスクリーニングって、8項目もチェックするのは大変そう」

IT部長・こざおです。リベ大(両学長)推奨の8項目スクリーニングを実践していますが、正直、財務データを1社ずつ手作業で確認するのは時間がかかります。

そこで私は、スプレッドシート+生成AIで分析作業を半自動化しています。この記事では、実際に使っている管理シートの構造と、生成AIをどう組み込んでいるかを公開します。


1. なぜ「半自動化」なのか|全自動にしない理由

株の分析って、全部AIにやらせることはできないんですか?
できなくはないけど、あえてやらない。「最終判断は自分でする」ために、あえて半自動にしてる。AIに丸投げすると、なぜその銘柄を選んだのか自分で説明できなくなる。それだと暴落時に自信を持って買えない。

私の分析フローは、「情報収集・整理はAI、判断基準の設計と最終判断は自分」という役割分担です。これはリベ大(両学長)が推奨する高配当株スクリーニング基準をベースにしており、この基準自体はブログでも公開されている一般的な考え方です。


2. 管理シートの構造|3枚のシートで運用

高配当株管理シートの3枚構成
高配当株管理シートの3枚構成
シート名 役割
① スクリーニング一覧 銘柄ごとの基本情報・8項目の判定・総合判定を一覧化
② 判定基準 リベ大推奨の◎○△×の基準を明文化(迷ったときに立ち返る)
③ 購入トリガー管理 現在株価・目標配当から、10%/20%/30%下落時の価格を自動計算

①スクリーニング一覧の項目

大項目 チェック項目
基本情報 コード・銘柄名・業種・株価・配当・利回り
学長評価 ◎○△×の総合評価
①売上高トレンド 10年以上の増加傾向か
②EPS 長期的に右肩上がりか
③営業利益率 10%以上が理想
④自己資本比率 60%以上が理想
⑤営業CF プラスを継続しているか
⑥現金等 キャッシュリッチかどうか
⑦配当金 連続増配・累進配当か
⑧配当性向 30〜50%が理想

この基準の詳細は高配当株の銘柄選び・暴落時まとめ買い戦略で解説しています。


3. 生成AIをどこで使うか|4つの活用ポイント

具体的に、AIにはどんな作業をさせているんですか?
生成AIを使う4つのポイント
生成AIを使う4つのポイント
活用ポイント 内容
① 財務健全性の要約 「〇〇社の財務状況を教えて」で、自己資本比率・利益率などを一括取得
② 増配の継続性チェック 「過去10年の配当推移と増配年数を教えて」で連続増配年数を確認
③ スクリーニング判定の下書き 取得したデータを判定基準に当てはめて、◎○△×の下書きを作らせる
④ 銘柄同士の比較・要約 候補が複数あるとき、どちらが基準に合致しているか比較させる
一番助かっているのは①と②。手作業だと有価証券報告書や決算資料を何ページも見る必要があるけど、AIに聞けば数十秒でポイントが出てくる。これだけで分析にかかる時間が5分の1くらいになった。

4. 実際のプロンプト例

私が実際に使っているプロンプトの型です。銘柄名を差し替えるだけで使い回せます。

財務健全性の確認

〇〇(証券コード:××××)について、直近の決算資料をもとに以下を教えてください。
・自己資本比率
・営業利益率
・営業キャッシュフローの推移(過去3〜5年)
・現金及び現金同等物の推移
数値が不明な項目は「不明」と答えてください。推測で数字を作らないでください。

増配継続性の確認

〇〇(証券コード:××××)の過去10年間の1株配当金の推移を教えてください。
連続増配は何年続いていますか。減配した年があれば、その年と理由も教えてください。

スクリーニング判定の下書き

以下の基準に沿って、〇〇の総合評価を◎○△×で判定してください。
判定の根拠も1行ずつ添えてください。
【基準】自己資本比率:60%以上=◎、40〜60%=○、20〜40%=△、20%未満=×(他7項目も同様に貼り付け)

「推測で数字を作らないで」という一文がポイントですか?
これがないと痛い目を見る!AIは自信満々に間違った数字を出すことがある。「わからないなら不明と言え」と釘を刺しておくだけで、精度が全然変わる。

5. 生成AIが間違える・苦手なこと

苦手なこと 対策
最新の株価・直近の決算数値 学習時点より新しい情報は不正確なことがある。証券会社アプリの数字で必ず裏取り
マイナーな中小型株の情報 情報量が少なく、誤った数値を出しやすい。IR資料を自分でも確認する
「なんとなく良さそう」という定性的な評価 数字の根拠を必ず示させる。根拠のない「おすすめ」は無視する
将来の株価予測 これはAIにも人間にも不可能。聞かない

生成AIは「情報を整理して提示する」のは得意ですが、「不確かな情報でもそれらしく答えてしまう」弱点があります。数字は必ず一次情報(決算短信・有価証券報告書・証券会社の銘柄ページ)で裏取りすることが絶対条件です。


6. 購入トリガーの自動計算|スプレッドシートの数式部分

暴落時にすぐ買える準備は、どうやって管理しているんですか?
ここはAIではなく、スプレッドシートの数式で自動化してる。現在株価と目標配当を入れれば、あとは全部自動で計算される。

購入トリガー管理シートの数式(例)

列 内容 計算式のイメージ
現在利回り 配当 ÷ 株価 × 100 手入力の配当・株価から自動計算
購入トリガー株価 目標配当 ÷ トリガー利回り(例:4.5%) 「この株価まで下がったら買う」を自動算出
10%下落株価 現在株価 × 0.9 暴落の初期段階の目安
20%下落株価 現在株価 × 0.8 本格的な調整局面
30%下落株価 現在株価 × 0.7 大暴落の目安

これにより、暴落が来たときに「今この銘柄は買い時か」を一目で判断できます。感情で判断せず、事前に決めた数字で機械的に動けるのがポイントです。


7. 半自動化のワークフロー全体像

高配当株分析の半自動化フロー
高配当株分析の半自動化フロー
ステップ 担当 内容
① 銘柄の発見 自分 ニュース・スクリーニングツールで候補を見つける
② 財務データの収集 AI+自分 AIに財務健全性・増配継続性を聞き、一次情報で裏取り
③ 判定の下書き AI 8項目基準に沿って◎○△×の下書きを作成
④ 最終判断 自分 下書きを確認し、スプレッドシートに記録。納得できなければ保留
⑤ 購入トリガー設定 スプレッドシート(数式) 目標利回り・下落率から自動計算
⑥ 暴落時の実行 自分 トリガーに達したら、事前の判断に従って購入

8. 注意点|AIの分析を鵜呑みにしない

この方法を試すとき、気をつけることはありますか?
一番大事なのは「AIが◎と言ったから買う」を絶対にやらないこと。AIは判断基準を機械的に当てはめるのは得意だけど、「この基準自体が今のあなたに合っているか」は判断できない。基準の設計とお金を出す決断は、最後まで自分の仕事。
  • AIが出した数字は必ず一次情報(決算資料・証券会社アプリ)で確認する
  • 「◎」という判定結果だけを見て買わない。根拠を自分で読む
  • 投資判断の最終責任は自分にあることを常に忘れない
  • AIのモデルや学習時点によって精度が変わることを理解しておく

9. まとめ|AIは「調べる時間」を減らす道具

  1. 高配当株分析は「情報収集はAI、最終判断は自分」の半自動化がちょうどいい
  2. 管理シートはスクリーニング一覧・判定基準・購入トリガー管理の3枚構成
  3. AIの活用ポイントは財務健全性の要約・増配継続性の確認・判定の下書き・銘柄比較の4つ
  4. 「推測で数字を作らないで」の一文で精度が大きく変わる
  5. 購入トリガーの自動計算はスプレッドシートの数式で十分
  6. AIの分析結果は必ず一次情報で裏取りし、鵜呑みにしない
AIに任せきりじゃなく「時間を節約する道具」として使うのが正解なんですね。
その通り。分析にかかる時間が減った分、じっくり自分の頭で最終判断する時間に使える。これがちょうどいいバランスだと思ってる。まずは1銘柄、AIに財務データを聞くところから試してみて。

※本記事は筆者の個人的な分析手法であり、特定の投資判断・AIツールを推奨するものではありません。投資は自己責任でお願いします。

次のステップとして、以下の記事も参考にしてください。