SES企業の面接で採用側が本当に見ている5つのポイント|面接テクニックはほとんど見ていません

「面接対策をしっかりすれば、採用される確率は上がりますか?」

よく聞かれる質問です。正直に答えます。面接テクニックは、私はほとんど見ていません。

IT部長・こざおです。中堅SES企業で19年、採用面接に関わってきました。この記事では、面接対策本には書かれていない、採用する側が本当に見ているポイントを正直に公開します。


1. 結論:面接テクニックはほとんど見ていません

面接対策の本やサイトを見ると、「結論から話す」「STAR法で答える」「逆質問を用意する」といったテクニックが山ほど紹介されています。もちろん無駄ではありません。ただ、採用する側の本音を言うと——

面接は、事前準備とコミュニケーションスキルでどうにでも「取り繕える」ものだと思っています。だからこそ私は、テクニックの上手さよりも、もっと奥にあるものを見ようとしています。

19年間、数百人の面接をしてきて行き着いた結論は、「資格」「根性」「人柄」の3つです。この記事では、それぞれ具体的に何を見ているのかを解説します。


2. 本当に見ているポイント①:資格取得の有無

面接で最初に注目するのは、資格を取得しているかどうかです。

これは「資格があれば技術力が高い」と思っているからではありません。資格取得というプロセスそのものが、その人の行動特性を証明してくれるからです。

  • 忙しい中で時間を作って勉強できる人か
  • 目標を立てて、それを実行できる人か
  • 「いつかやろう」で終わらせず、実際に行動に移せる人か

未経験者であっても、ITパスポートや基本情報技術者を自分で取得している人は、それだけで「言われなくても動ける人」の可能性が高いと判断できます。逆に、資格が一つもなく「これから頑張ります」だけの人は、正直不安が残ります。


3. 本当に見ているポイント②:継続してやり抜いた経験=「根性」

もう一つ重視しているのが、過去に何かを継続してやり続けた経験があるかです。

IT業界の仕事、特にSESの現場は、地道な作業や、すぐに成果が見えない仕事が多くあります。「根性」——言い換えれば、しんどい時期を乗り越えて継続する力があるかどうかは、長く活躍できるかを大きく左右します。

これは職歴に直接関係ない経験でも構いません。スポーツを何年も続けていた、趣味を長期間継続している、資格取得のために何ヶ月も勉強を続けた——こうしたエピソードから、その人の「粘り強さ」を見ています。


4. 本当に見ているポイント③:独立志向・自分語りは要注意

逆に、面接で不安を感じる瞬間もあります。「独立志向」を少しでも感じ取れる発言があるときです。

「将来はフリーランスとして独立したい」「自分のペースで働きたい」——こうした志向自体が悪いわけではありません。ただ、面接の場でそれが強く前面に出てくる人は、「組織で長く貢献する」という視点より「自分がどう得をするか」が先に立っている印象を受けることが多いです。

同じ理由で、自分語りが多い人、自分中心の考え方が透けて見える人にも注意しています。質問に対して「自分がいかにすごいか」を語ることに終始し、チームや相手の話が一切出てこない——このパターンは要注意です。


5. 本当に見ているポイント④:義理人情があるか

これは特に重視しているポイントです。退職してきた会社や、そこで働いていた社員に対して、不義理な言動がないか。

転職理由を聞いたとき、前職の会社や上司・同僚の悪口ばかりが出てくる人がいます。もちろん、本当に劣悪な環境だったケースもあるでしょう。ただ、お世話になった人・会社への配慮が一切感じられない話し方をする人は、正直警戒します。

なぜなら、今度は自社が「辞められる側」になったとき、同じように扱われる可能性が高いからです。義理人情があるかどうかは、その人が組織の中でどう振る舞うかを予測する、かなり信頼度の高い指標だと考えています。


6. 本当に見ているポイント⑤:経営視点・相手の立場に立つ視点

技術力以外で「この人は伸びる」と直感する瞬間もあります。それは、経営視点を持っていることと、相手の立場に立って考える視点を持っていることです。

例えば「なぜこの会社を選んだのか」という質問に対して、単に「待遇が良いから」ではなく、「会社の売上構造や今後の方向性を考えたときに、自分がどう貢献できそうか」まで考えて話せる人は、明らかに一段階上のレベルにいます。

同じように、質問への回答の中で「顧客はどう感じるか」「チームメンバーはどう思うか」といった、自分以外の視点が自然に出てくる人も、将来的にマネジメントを任せられる可能性が高いと感じます。


7. 未経験者と経験者、見ているポイントは同じ

ここまで紹介したポイントは、未経験者でも経験者でも、まったく同じです。

見ているポイント 未経験者 経験者
資格取得の有無 ◎重視 ◎重視
継続してやり抜いた経験 ◎重視 ◎重視
独立志向・自分語り 要注意 要注意
義理人情 ◎重視 ◎重視
経営視点・相手の立場 加点 加点
技術スキル 参考程度 参考程度(あるに越したことはない)

技術力は、正直なところ入社してからいくらでも伸ばせます。でも「真面目そうか」「嘘がなさそうか」「義理人情があるか」という人柄の部分は、面接の短い時間の中でも、意外とにじみ出るものです。私が一番エネルギーを使って見極めようとしているのは、ここです。

経験者に対してだけ、追加で確認すること

見ているポイントの「軸」は未経験・経験者で同じですが、経験者に対しては1つだけ追加で確認する質問があります。それは「前職で、うまくいかなかったことをどう乗り越えたか」です。

経験者は当然、実務経験の話を聞かれることが多いので、うまくいった話は流暢に語れます。でもうまくいかなかった経験をどう受け止め、どう行動を変えたかという部分には、その人の根本的な姿勢が表れます。「上司が悪かった」「環境が悪かった」で終わる人と、「自分にも至らない点があった、こう改善した」まで語れる人では、入社後の伸びしろが全く違います。


補足:資格や継続経験がない人は、もう遅いのか

ここまで読んで、「資格もない、継続してきた経験も思い当たらない」と不安になった方もいるかもしれません。安心してください。今から作ればいいだけです。

面接までの数ヶ月で、ITパスポートを取得する。何か一つ、小さくてもいいので継続して取り組む(毎日30分の学習を3ヶ月続けるなど)。こうした「今から作れる実績」は、面接の場で十分な説得材料になります。

むしろ私が評価するのは、「転職を決めてから、何を変えたか」です。何も変えずに面接に来る人と、「資格を取りました」「毎日この時間を学習に充てています」と言える人では、同じ未経験者でも見る目が変わります。面接の場で語れる「行動の記録」を、今日から作り始めてください。


8. 話が下手でも合格させる理由

面接で話すのが苦手な人、緊張して言葉に詰まる人がいます。これは、私はまったくマイナスに評価しません。

理由は、19年見てきた経験則です。入社直後は物静かでコミュニケーションが苦手だった社員が、数年後に大きく成長するケースを何度も見てきました。むしろ、最初は口下手でも、現場でコツコツと信頼を積み上げ、気づけばチームの中心になっている——そういう人材は珍しくありません。

面接の場での「話のうまさ」は、その人の本質とはあまり関係がないというのが、私の実感です。それよりも、資格取得や継続経験といった「行動の記録」の方が、よほど信頼できる判断材料になります。


9. スペックが良くても落とすケース

逆に、経歴・資格などのスペックが申し分なくても、迷った末に見送るケースもあります。共通するのは、以下のような特徴です。

  • 独立志向が強く出すぎている:組織で長く働くビジョンより、自分のキャリアの通過点として見ている印象
  • 自分語りが多い:質問への回答が、常に「自分がいかに優れているか」の話に終始する
  • 自分中心の考え方:チームや顧客の視点が話の中に一切出てこない

スペックだけを見れば「即戦力になりそう」と思える人材でも、こうした兆候が見えると、「入社後、チームに馴染めるか」「長く一緒に働けるか」に不安が残ります。SESという業態は、特にチームでの信頼関係が成果に直結するため、スキルの高さだけでは採用の決め手になりません。

実際にあった、印象的なケース

細かい詳細は伏せますが、経歴も資格も申し分ない候補者が、面接の最後で「将来的には独立して、自分の会社を持ちたい」と熱く語ったことがありました。志自体は素晴らしいと思います。ただ、その話の中に「自社でどう貢献したいか」という視点が一切出てこなかったのが引っかかり、見送った経験があります。

逆に、資格は基礎的なものが一つだけ、実務経験も浅い候補者が、「前の職場で、後輩がミスをしたときに自分がどうフォローしたか」というエピソードを自然に語ってくれたことがありました。スペックだけ見れば地味な経歴でしたが、「この人はチームの中で機能する」と直感し、採用を決めました。その人は今、現場でリーダーを任されるまでに成長しています。

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10. まとめ|「うまく話すこと」より大事なもの

  1. 面接テクニックは取り繕えるもの。あまり重視していない
  2. 本当に見ているのは「資格」「根性(継続経験)」「義理人情」の3つ
  3. 独立志向・自分語り・自分中心の発言は要注意サイン
  4. 「経営視点」「相手の立場に立つ視点」があると、大きな加点になる
  5. 未経験者・経験者で、見ているポイントに違いはない
  6. 話が下手でも、まったく問題ない。物静かな人が後で伸びるケースは多い
  7. スペックが良くても、独立志向・自分語りが強い人は見送ることがある

面接対策として一番効くのは、話し方を磨くことより、「資格を一つ取ってみる」「何かを継続してやり抜いた経験を振り返る」ことかもしれません。それが結局、あなたという人間の一番信頼できる証明になります。

次のステップとして、以下の記事も参考にしてください。