職務経歴書を送っても、会ってすらもらえない。
何が悪いのか、落ちた側には教えてもらえません。
結論から言うと、書いてあることより「書いていないこと」で落ちています。
私はIT業界で19年、うち部長として6年、中堅SESで採用する側にいます。送られてくる職務経歴書を実際に見て、会うか会わないかを決めています。
この記事では、私が見ていく順番と、そこで落ちる書き方をそのまま書きます。
📌 この記事を読むとわかること
- 採る側が職務経歴書で最初に見る欄
- 「資格は不要」と言いながら、資格欄を最初に見る理由
- 勤怠の不安が読み取れると落とされる構造
- 同じ経歴でも「主体性がない」と読まれる書き方
- 会ってみたいと思わせた書き方の共通点
この記事の要約
書類選考では、まず資格取得欄を見ます。実務で資格が役に立つからではなく、会ったことがない人を紙だけで判断するとき、学ぶ習慣を確かめられる数少ない材料だからです。次に募集要項の必須経歴、そして勤怠に不安が出る記述。中堅SESの部長が、落とす書き方と会ってみたくなる書き方を具体的に書きました。
私が見ていく順番
最初に全体像を出します。

この順番には理由があります。上から順に、落とす判断が早くつくものを見ているからです。
職務経歴書は1枚ずつじっくり読むものではありません。何十枚も来る中で、読み進める価値があるかを数十秒で決めています。
最初に見るのは、資格取得欄です
意外に思われるかもしれませんが、いちばん最初に見るのは資格の欄です。
IT業界にいて資格を1つも取得していない時点で、基本的には信頼できないと判断します。
「資格は不要」と矛盾していないのか
ここは誤解されたくないので、はっきり書きます。
- 実務での評価 資格より実践。これは変わりません
- 書類選考 資格しか見るものがない。だから見ます
資格はあっても差がつかないが、無いとマイナスになるという性質のものです。

情報処理推進機構(IPA)の集計では、情報処理技術者試験の合格者は累計で約409万人。応募者は令和元年度の54.9万人から、令和7年度には77.1万人まで増えています。
持っている人が増え続けているぶん、持っていないほうが目立つという状態になっています。
資格そのものの考え方はシステムエンジニアに資格は必要?不要だと断言する3つの理由に書きました。合わせて読むと、使い分けが分かると思います。
こざお@現役部長 このサイトでは、会社員が資産を構築してお金と時間の自由を手に入れるための方法を解説しています。 資格を取っておいた方が出世に有利だろうか…? エ[…]
出典:情報処理推進機構(IPA)「応募者・受験者・合格者の累計」をもとに作成
次に見るのは、募集要項の必須経歴です
ここは単純な話です。
「上流工程の経験」「Java開発◯年以上」といった必須条件が書類から読み取れなければ、そこで終わります。
経験があるのに書いていない、というケースも実際にあります。書いていないものは、無いのと同じです。
いちばん重いのは、勤怠の不安です
ここが、ほかの業界と少し違うところかもしれません。
SESは現場に出す前提で採用します。だから、勤怠に不安が残る書き方をされていると、かなり慎重になります。
- 朝が弱いことが読み取れる
- 遅刻について触れられている
- 定期的にまとまった休みを取る前提が書かれている
技術力が高くても、ここで止まります。
書類で先に不安だけを渡さない、というのが正確な言い方です。
同じ経歴でも「主体性がない」と読まれる書き方
4番目に見ているのがここです。
言われたことしかやってこなかったように読める書き方だと、現場で自分から動けないと判断されます。
よくあるのが、担当した工程と使った技術だけが並んでいる書類です。間違いではないのですが、それだけだと何を任されても同じに見えます。
逆に、何に困って、何を自分で決めたのかが1行でも入っていると、印象がまったく変わります。
チーム募集なら、立ち位置も見ます
体制を組む前提の募集では、もう1つ見ます。
リーダーとしての意識があるかです。
人数の多い体制で動く案件だと、全員が同じ動きをしても回りません。後輩に教えた、進捗を取りまとめた、顧客と話した。そういう記述があると、配置の幅が広がります。
逆に、会ってみたいと思った書き方
ここまで落とす側の話が続いたので、通る側も書きます。

共通しているのは、次の2つだけです。
- 資格を複数取っている 続ける力と、学ぶ習慣が読み取れる
- 募集要項に沿って経歴が整理されている 何ができる人か、読まなくても分かる
凝った書き方は要りません。探す手間を減らすだけで通ります。
SESのスキルシートで、どこまで書くと見抜かれるのかはスキルシートはどこまで盛っていいのかにまとめました。
「少しくらい盛っておいた方がいい」 SESの世界では、わりと当たり前のように言われます。営業に言われて書き換えた経験がある人もいるはずです。 発注側として、何百枚もスキルシートを見てきた立場から書きます。 […]
よくある質問
Q. 資格は何から取ればいいですか
基本情報技術者からで十分です。
書類で見ているのは難易度ではなく、取ろうとした形跡です。インフラ方向ならCCNA、クラウドならAWSの認定も有効です。
何をどの順番で学ぶかは未経験IT転職の学習ロードマップに書いています。
「未経験からIT転職したいけど、何から勉強すればいいかわからない」 「資格?プログラミング?スクール?順番がわからない」 IT部長・こざおです。私は25歳・PC未経験で派遣会社経由でIT業界に入り、研修3日で現場に出ました。今は[…]
Q. 転職回数が多いと落ちますか
回数そのものでは落としません。見ているのは理由に一貫性があるかです。
3回動いていても、全部が同じ方向を向いているなら問題ありません。逆に2回でも、毎回まったく違う業界に移っていて説明がつかないと引っかかります。
Q. 職歴にブランクがあります
何をしていたかを書いてください。空白のまま出されるのがいちばん良くありません。
学習していた、家庭の事情があった、療養していた。事実をそのまま書けば、こちらは「聞けばいい」と判断できます。書かれていないと、悪いほうに想像するしかなくなります。
Q. 書類が通ったあと、面談では何を見られますか
書類とは別の見方になります。SESの場合は客先面談もあるので、見られる点が二段階あります。
詳しくはSES面接・客先面談で見られている本当のポイントに書きました。
「面接対策をしっかりすれば、採用される確率は上がりますか?」 よく聞かれる質問です。正直に答えます。面接テクニックは、私はほとんど見ていません。 IT部長・こざおです。中堅SES企業で19年、採用面接に関わってきました。この記事[…]
まとめ|探す手間を減らせば、通ります
最後にまとめます。
- 最初に見るのは資格取得欄。IT業界で1つも無いと引っかかる
- 資格はあっても差がつかないが、無いとマイナスになる
- 次に募集要項の必須経歴。書いていないものは無いのと同じ
- 勤怠の不安が読み取れると、技術力が高くても止まる
- 工程と技術だけ並べると主体性がないと読まれる。自分で決めた形跡を1行入れる
- 通る書類の共通点は資格が複数あることと募集要項に沿って整理されていることだけ
落ちているのは、能力が足りないからではなく、伝わっていないからです。