職務経歴書で落とされる人・通る人|SES部長が書類選考で最初に見る5つ

職務経歴書を送っても、会ってすらもらえない。

 

何が悪いのか、落ちた側には教えてもらえません。

 

結論から言うと、書いてあることより「書いていないこと」で落ちています。

 

私はIT業界で19年、うち部長として6年、中堅SESで採用する側にいます。送られてくる職務経歴書を実際に見て、会うか会わないかを決めています。

 

この記事では、私が見ていく順番と、そこで落ちる書き方をそのまま書きます。

📌 この記事を読むとわかること

  • 採る側が職務経歴書で最初に見る欄
  • 「資格は不要」と言いながら、資格欄を最初に見る理由
  • 勤怠の不安が読み取れると落とされる構造
  • 同じ経歴でも「主体性がない」と読まれる書き方
  • 会ってみたいと思わせた書き方の共通点

この記事の要約

書類選考では、まず資格取得欄を見ます。実務で資格が役に立つからではなく、会ったことがない人を紙だけで判断するとき、学ぶ習慣を確かめられる数少ない材料だからです。次に募集要項の必須経歴、そして勤怠に不安が出る記述。中堅SESの部長が、落とす書き方と会ってみたくなる書き方を具体的に書きました。

私が見ていく順番

最初に全体像を出します。

書類選考で見ていく順番
書類選考で見ていく順番

この順番には理由があります。上から順に、落とす判断が早くつくものを見ているからです。

 

職務経歴書は1枚ずつじっくり読むものではありません。何十枚も来る中で、読み進める価値があるかを数十秒で決めています。

最初に見るのは、資格取得欄です

意外に思われるかもしれませんが、いちばん最初に見るのは資格の欄です。

 

IT業界にいて資格を1つも取得していない時点で、基本的には信頼できないと判断します。

でも、現場では資格より実務経験だと言われませんか
そのとおりです。私も別の記事で「資格は不要」と断言しています。ただ、それは一緒に働いている人を評価するときの話です。書類選考は違います。会ったこともない人を、紙1枚で判断するんです。そのときに、学ぶ習慣があるかを確かめられる材料がほかにありません。

「資格は不要」と矛盾していないのか

ここは誤解されたくないので、はっきり書きます。

 

  • 実務での評価 資格より実践。これは変わりません
  • 書類選考   資格しか見るものがない。だから見ます

 

資格はあっても差がつかないが、無いとマイナスになるという性質のものです。

情報処理技術者試験の応募者数の推移
情報処理技術者試験の応募者数の推移

情報処理推進機構(IPA)の集計では、情報処理技術者試験の合格者は累計で約409万人。応募者は令和元年度の54.9万人から、令和7年度には77.1万人まで増えています。

 

持っている人が増え続けているぶん、持っていないほうが目立つという状態になっています。

 

資格そのものの考え方はシステムエンジニアに資格は必要?不要だと断言する3つの理由に書きました。合わせて読むと、使い分けが分かると思います。

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システムエンジニアに資格は必要?不要だと断言する3つの理由

 

出典:情報処理推進機構(IPA)「応募者・受験者・合格者の累計」をもとに作成

次に見るのは、募集要項の必須経歴です

ここは単純な話です。

 

「上流工程の経験」「Java開発◯年以上」といった必須条件が書類から読み取れなければ、そこで終わります。

 

経験があるのに書いていない、というケースも実際にあります。書いていないものは、無いのと同じです。

募集ごとに書き直すということですか?
全部書き直す必要はありません。順番を入れ替えるだけで十分です。募集が上流工程なら、上流の経験を上に持ってくる。同じ経歴でも、どこを先に見せるかで印象がまったく変わります。

いちばん重いのは、勤怠の不安です

ここが、ほかの業界と少し違うところかもしれません。

 

SESは現場に出す前提で採用します。だから、勤怠に不安が残る書き方をされていると、かなり慎重になります。

 

  • 朝が弱いことが読み取れる
  • 遅刻について触れられている
  • 定期的にまとまった休みを取る前提が書かれている

 

技術力が高くても、ここで止まります。

趣味で長い休みを取るのも、マイナスになるんですか
正直に言うと、書類の段階ではマイナスに働きます。常駐先には代わりの人をすぐ立てられないので、抜ける前提があると調整が難しいんです。ただ、これは隠せという話ではありません。面談で事情と調整の仕方を話せるなら、十分に通ります。

書類で先に不安だけを渡さない、というのが正確な言い方です。

同じ経歴でも「主体性がない」と読まれる書き方

4番目に見ているのがここです。

 

言われたことしかやってこなかったように読める書き方だと、現場で自分から動けないと判断されます。

 

よくあるのが、担当した工程と使った技術だけが並んでいる書類です。間違いではないのですが、それだけだと何を任されても同じに見えます。

 

逆に、何に困って、何を自分で決めたのかが1行でも入っていると、印象がまったく変わります。

大きな実績じゃないと書けない気がします
小さくていいんです!「テストの手順書が無かったので作った」「問い合わせが多い箇所をまとめて共有した」。そのレベルで十分伝わります。大きさではなく、自分で決めた形跡があるかどうかを見ています。

チーム募集なら、立ち位置も見ます

体制を組む前提の募集では、もう1つ見ます。

 

リーダーとしての意識があるかです。

 

人数の多い体制で動く案件だと、全員が同じ動きをしても回りません。後輩に教えた、進捗を取りまとめた、顧客と話した。そういう記述があると、配置の幅が広がります。

逆に、会ってみたいと思った書き方

ここまで落とす側の話が続いたので、通る側も書きます。

落とす書き方・会ってみたくなる書き方
落とす書き方・会ってみたくなる書き方

共通しているのは、次の2つだけです。

 

  • 資格を複数取っている 続ける力と、学ぶ習慣が読み取れる
  • 募集要項に沿って経歴が整理されている 何ができる人か、読まなくても分かる

 

凝った書き方は要りません。探す手間を減らすだけで通ります。

 

SESのスキルシートで、どこまで書くと見抜かれるのかはスキルシートはどこまで盛っていいのかにまとめました。

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よくある質問

Q. 資格は何から取ればいいですか

基本情報技術者からで十分です。

 

書類で見ているのは難易度ではなく、取ろうとした形跡です。インフラ方向ならCCNA、クラウドならAWSの認定も有効です。

 

何をどの順番で学ぶかは未経験IT転職の学習ロードマップに書いています。

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Q. 転職回数が多いと落ちますか

回数そのものでは落としません。見ているのは理由に一貫性があるかです。

 

3回動いていても、全部が同じ方向を向いているなら問題ありません。逆に2回でも、毎回まったく違う業界に移っていて説明がつかないと引っかかります。

Q. 職歴にブランクがあります

何をしていたかを書いてください。空白のまま出されるのがいちばん良くありません。

 

学習していた、家庭の事情があった、療養していた。事実をそのまま書けば、こちらは「聞けばいい」と判断できます。書かれていないと、悪いほうに想像するしかなくなります。

Q. 書類が通ったあと、面談では何を見られますか

書類とは別の見方になります。SESの場合は客先面談もあるので、見られる点が二段階あります。

 

詳しくはSES面接・客先面談で見られている本当のポイントに書きました。

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まとめ|探す手間を減らせば、通ります

最後にまとめます。

 

  • 最初に見るのは資格取得欄。IT業界で1つも無いと引っかかる
  • 資格はあっても差がつかないが、無いとマイナスになる
  • 次に募集要項の必須経歴。書いていないものは無いのと同じ
  • 勤怠の不安が読み取れると、技術力が高くても止まる
  • 工程と技術だけ並べると主体性がないと読まれる。自分で決めた形跡を1行入れる
  • 通る書類の共通点は資格が複数あることと募集要項に沿って整理されていることだけ

 

落ちているのは、能力が足りないからではなく、伝わっていないからです。

何十枚も見ていると、読ませようとしている書類はすぐ分かります。うまく書く必要はありません。募集要項をもう一度読んで、合う経歴を上に持ってくる。それだけで、会う側の判断はずいぶん変わります。