かわいがられる部下になる方法|引き上げる側が見ているもの

「かわいがられる部下になりたい」

 

そう思うこと自体を、少し後ろめたく感じる人がいます。媚びているようで気が引ける、と。

 

引き上げる側から言うと、それは誤解です。

 

かわいがられる部下というのは、よく言われるような「上司にゴマをする人」ではありません。上司が判断しやすい材料をくれる人のことです。

 

私はIT業界で19年、うち部長として6年、中堅SESで部下の配置と評価を決める側にいます。この記事では、実際に引き上げたくなる部下が何をしているのかを書きます。

📌 この記事を読むとわかること

  • かわいがられる部下と、媚びている部下の違い
  • 上司に声をかけるときの、話の組み立て方
  • 接点が増えるだけで、なぜ評価が変わるのか
  • 常駐していても使える、3つの機会
  • やってはいけない「かわいがられ方」
  • 実際に飛び級で昇格した社員がやっていたこと

この記事の要約

かわいがられる部下とは、上司が判断しやすい材料をくれる人のことです。遠慮せず声をかけてくる社員はそれだけで印象が良くなりますが、話す中身を少し準備しておくと評価に変わります。中堅SESの部長が、引き上げたくなる部下の共通点を書きました。

結論|上司が欲しいのは、判断に使える材料です

先に答えを書きます。

 

遠慮せずに声をかけてくる社員は、素直にかわいいものです。

 

上司には声をかけづらい。その気持ちはよく分かります。ただ、上の立場から見ると事情が違います。

 

常駐している社員の日常は、こちらからは見えません。見えるのは帰社したときの数十分だけです。そこで何も言ってこない人は、材料がないまま評価されることになります。

忙しそうなので、声をかけるのが申し訳なくて……
忙しいのは本当です。ただ、現場の情報は本当に欲しいんです。黙っていられるほうが困ります。

ただし、何も考えずに声をかけるのは違う

ここが分かれ目です。

 

ただ顔を出すだけ、世間話をするだけなら、印象は良くなっても評価にはつながりません。

 

話す中身を、少しだけ準備しておいてください。

上司に声をかけるときの、話の組み立て方
上司に声をかけるときの、話の組み立て方

① 現場で起きていることを、先に言う

感想や要望から入らないことです。事実から。

 

「来月から工程が変わります」「客先で増員の話が出ています」。こういう情報は、現場にいる人からしか手に入りません。

② 何が問題なのかを、一言で言う

長く説明する必要はありません。むしろ短いほうが伝わります。

 

上司が知りたいのは、判断が必要かどうかです。

③ 自分はこうしたい、を添える

ここがあるかどうかで、受け取り方がまったく変わります。

 

「増員の話が出ていますが、こういうスキルの人が欲しいです」。この一言があると、報告ではなく提案になります。

同じ事実を伝えていても、提案まである人は「任せられる」と判断されます。ここは意識するだけで変えられます。

④ 決めてほしいことを、明確にする

増員の承認が欲しいのか、体制を変えてほしいのか、報告だけなのか。

 

ここがはっきりしていると、上司は動きやすくなります。

接点が増えるだけで、何が起きるのか

声をかけることの効果を、構造で見ると分かりやすいです。

かわいがられる社員に起きていること
かわいがられる社員に起きていること

声をかけてくる。だから状況が上に伝わる。伝わるから判断が早くなる。判断が早いから現場がうまく回る。

 

そして、さらに任されるようになります。

 

逆に接点がない人は、問題が起きてから発覚します。そのときには手遅れになっていることが多い。

 

これは本人の能力の差ではなく、情報が流れているかどうかの差です。

そもそも常駐していると、上司に会う機会自体がほとんどないんですが
そこなんですよね。だから回数が少ないぶん、1回の価値が大きくなります。使える機会を3つに絞って挙げます。

常駐していても、機会は3つあります

現場に入りっぱなしだと接点が作れない、と思うかもしれません。実際には3つあります。

  1. 帰社日|いちばん確実。来る前に話す内容を決めておく
  2. 全社会議やイベント|雑談でも構わない。顔を覚えてもらう
  3. 評価面談|年に数回しかない。準備して臨む

 

忘年会のような場も含めて構いません。回数が少ないぶん、1回の価値が大きくなります。

ただし空気は読んでください!忙しそうなときに長話をされると、さすがに逆効果です。そこは普通の感覚で大丈夫です。

実際に、何が起きたか

弊社には、過去に例のなかった飛び級での管理職昇格をした若手社員がいます。

 

決め手は売上と利益です。ただ、その社員は常に自分から声をかけてきました。現場の話を持ってきて、自分の考えを言って、必要なものを明確に出してくる。

 

結果として、こちらが先回りして手を打てました。

 

ほかにも、通常ならあり得ないストレートでの昇給をした社員がいます。新しい案件の話を持っていきたくなるのも、だいたいこういう人です。

 

好かれることと結果の関係は職場で好かれる人と嫌われる人の違いにまとめました。

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やってはいけない「かわいがられ方」

誤解のないように書いておきます。

上司の機嫌だけを取る

いちばん意味がないのがこれです。

 

評価は上司ひとりでは決まりません。部門長が並べ直し、役員が承認します。機嫌を取っているだけの人は、その過程で材料が無いので落ちます。

悪い話を隠す

嫌われたくないあまり、まずい報告を後回しにする人がいます。

 

これがいちばん評価を下げます。早く言えば打てる手があるのに、遅れた時点で選択肢が減るからです。

 

悪い報告こそ、原因と「自分はこうしようと思っている」をセットで出してください。それだけで受け取り方が変わります。

中身のないまま、愛想だけでいく

SESは客先に入るので、中身がなければ成果が出ません。上辺だけの人は、すぐにばれます。

 

好かれることは土台として効きますが、それ自体がゴールではありません。

よくある質問

Q. 何を話せばいいか分かりません。

営業面の情報からで十分です。評価する側がいちばん気にしているのはここです。

 

客先が人を増やしたがっている、来期の予算が削られそうだ、自分の契約が延長されそうだ。良い話でも悪い話でも構いません。

Q. 上司と性格が合いません。

合わなくても構いません。必要なのは仲良くなることではなく、情報を渡すことです。

 

関係が悪い場合の動き方は上司に嫌われたら、もう出世できないのかに書きました。

Q. かわいがられると、周りから反感を買いませんか?

機嫌を取っているだけなら買います。情報を持ってきて現場を回している人は、むしろ周りからも頼られます。

 

違いは、やっていることが誰のためになっているかです。

Q. 相談していいのか迷います。

迷った時点で、だいたい相談していい案件です。

 

部下から「かわいがられたい」と相談されたら、私はこう答えます。その相談ができている時点で、最低ラインは越えています。

まとめ

かわいがられる部下とは、上司が判断しやすい材料をくれる人のことです。

  • 遠慮せずに自分から声をかける。それだけで印象が変わる
  • ただし話す中身は準備する。事実 → 問題 → 提案 → 決めてほしいこと
  • 接点があると情報が流れ、判断が早くなり、現場が回る
  • 常駐していても、帰社日・全社会議・面談の3つは使える
  • 機嫌を取るだけ、悪い話を隠す、中身がない。この3つは逆効果

 

媚びる必要はありません。情報を渡すだけです。

 

愛嬌そのものについては仕事に愛嬌が必要な3つの理由、評価の仕組みは出世できない人の特徴5選をどうぞ。

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