社員を育てている会社は、リーダーを見れば分かる|発注側のチェックポイント

「研修制度が充実しています」

 

求人票でよく見る一文です。ただ、これだけでは何も分かりません。新人研修があるだけの会社も、同じことを書けるからです。

 

その会社が本当に人を育てているかは、リーダーを見れば分かります。

 

私はIT業界で19年、うち部長として6年、中堅SESで協力会社を選ぶ側にいます。発注する立場で何十社と組んできました。

 

この記事では、発注側がリーダーの何を見ているのかと、それがなぜ会社の実力を映すのかを書きます。
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📌 この記事を読むとわかること

  • 発注側がリーダーに求めている3つの力
  • トラブルが起きたときに、会社の差が出る理由
  • 「この会社とは続けたくない」と思う3つの瞬間
  • リーダー層を育てるのが、教育の真骨頂だという話
  • 働く側として、入社前に何を確認すればいいか
  • 自分がリーダーを任されたときに、何から始めるか

この記事の要約

研修制度の有無より、現場に立っているリーダーを見たほうが会社の実力は分かります。発注側が見ているのは、技術力・マネジメント能力・折衝力のバランスです。協力会社を選ぶ側の中堅SES部長が、また組みたい会社と続けたくない会社の差を書きました。

結論|リーダー層を育てられているかが、教育の真骨頂です

先に答えを書きます。

 

新人研修は、やろうと思えばどの会社でもできます。外部に出せばいいからです。

 

難しいのは、リーダーを育てることです。

 

これは外注できません。社内で、時間をかけて、現場を任せながら育てるしかない。だからリーダーの質に、その会社の教育がそのまま出ます。

でも、入社前にリーダーなんて見られますか?
見られます。面談に出てくる人、現場見学で会う人。あとで確認の仕方も書きますね。

発注側がリーダーに求めている3つの力

提案を受けたとき、私が見ているのはここです。

発注側がリーダーに求めている3つの力
発注側がリーダーに求めている3つの力

どれか1つが突き抜けていればいい、という見方はしていません。3つのバランスです。

① 技術力

土台です。ただし、最高レベルである必要はありません。

 

必要なのは現場で判断ができる程度の技術力です。メンバーの報告を聞いて、それが妥当かどうかを判断できるか。ここが無いと、下の2つが機能しません。

② マネジメント能力

チームとして生産性を出せるか。

 

個人として優秀でも、人に任せられない、人が育たないというリーダーは、ここで止まります。体制で提案を受けている以上、こちらが期待しているのはチームの成果です。

③ 折衝力

意外に思われるかもしれませんが、これが一番ありがたいです。

 

できないことを、できないとはっきり言ってくれる。

 

無理を全部引き受けて、あとで破綻されるのがいちばん困ります。早い段階で「この条件では難しい」と言ってもらえれば、こちらも打つ手があります。

 

そのうえで提案型の仕事ができると、もう手放したくなくなります。

「できません」と言える人のほうが信用されるんです。何でも「やります」と言う人は、逆に怖い。

トラブルが起きたときに、差が出る

ここが本題です。

トラブルが起きたときに、差が出る
トラブルが起きたときに、差が出る

若手が辞めることも、トラブルも、避けられません

前提として、これは責めるところではありません。

 

若手が辞める。障害が出る。遅延する。どの会社でも起きます。起きないことを期待してはいません。

見ているのは、そのあとの動きです

差が出るのはここです。

 

慌てずに、チームとしての生産性を維持する。リカバリ策を自分から出して、実行する。そして逃げずに最後までやりきる姿勢を見せる。

 

これができる会社とは、また組みたくなります。多少のトラブルがあっても、です。

 

信頼が問題発生時に測られるという話は発注側から見た、信頼できないSES企業の共通点にも書きました。

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リーダーが育っていない会社だと感じたなら

経験を積める環境かどうかは、会社によって大きく違います。まずはどんな求人があるのかだけでも見ておいてください。運営元と対応範囲は、利用前にご確認ください。

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「この会社とは続けたくない」と思う瞬間

逆側を書きます。

体制で提案したのに、チームとして機能していない

いちばん多いのがこれです。

 

複数名の体制で提案を受けた以上、こちらはチームとしての生産性を期待しています。個人の寄せ集めが欲しいなら、1人ずつ別の会社から取ります。

 

ところがフタを開けると、メンバーがそれぞれ別々に動いているだけ。これだと体制で取った意味がありません。

リーダーが、配下の面倒を見ていない

自分の作業だけをやっていて、メンバーの状況を把握していない。

 

体制で提案する以上、結果責任はリーダーが持ってほしい。これは厳しい要求ではなく、当然の前提だと思っています。

問題が起きたときに、他責で飛ぶ

いちばん致命的なのがこれです。

 

現場が悪い、プロジェクトの進め方が悪い、顧客の要求が無理だった。そう言って責任を取らず、そのまま撤退する会社が実際にあります。

一度でもこれをやった会社とは、二度と組みません!そしてこういう話は、業界内ですぐ広まります。

そして怖いのは、これが所属しているエンジニア個人にも跳ね返ることです。本人の評価が高くても、会社ごと切られることがあります。

うちのリーダーは、正直そこまでできていないです
それは本人の問題というより、育てる仕組みが無い会社の問題です。リーダーは放っておいて育つものではないので。

なぜリーダーを見れば、会社が分かるのか

理由を整理します。

 

技術研修は外部に出せます。新人研修も、パッケージを買えば形になります。

 

リーダー教育だけは、外注できません。

 

現場を任せて、失敗させて、拾って、また任せる。この繰り返しでしか育ちません。時間も手間もかかります。

 

だからリーダーがしっかりしている会社は、そこに投資してきた会社だということになります。

 

逆に言えば、リーダーが育っていない会社は、目の前の案件を回すことだけに追われてきた会社です。

これは自分の会社にも刺さる話です。弊社もリーダー教育の仕組みは持っていません。人が要るときは外から採ってきました。

部下の育て方については部下が育たないと悩む管理職へに、私が潰してしまった失敗も含めて書いています。

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働く側として、何を確認すればいいか

入社前にできることを並べます。

  • 面談に出てくる人を見る|現場のリーダー格が同席するなら、その人の話し方で分かります
  • 「リーダーはどうやって決まりますか」と聞く|年次だけで決まる会社か、基準がある会社か
  • 「リーダー向けの研修はありますか」と聞く|無くても構いません。答え方で、考えているかが分かります
  • チームで入る案件の割合を聞く|1人常駐ばかりなら、リーダーが育つ場がありません

 

4つ目が見落とされがちです。1人常駐しかない会社では、そもそもリーダー経験が積めません。

 

経営視点でのチェックポイントは良いSES企業・危ないSES企業の見分け方にもまとめています。

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よくある質問

Q. リーダーをやりたくない場合、不利になりますか?

現場要員として続けることはできます。ただ年次が上がるほど、現場要員としての需要は落ちます。

 

判断材料は管理職になりたくない人へに書きました。

Q. 自分がリーダーを任されました。何から始めればいいですか?

「できないことを、できないと言う」からで十分です。

 

無理を引き受けて破綻するのが、いちばん信用を落とします。早めに言えば、発注側も打つ手を考えます。

Q. 商流が浅ければ、リーダーも育っていますか?

相関はありますが、別の話です。2次請けでもリーダーが育っていない会社はあります。

 

商流の確かめ方はSES企業の「1次請け」はほぼあり得ない理由にまとめました。

Q. 面談でリーダーに会えない場合は?

聞いてみてください。「実際に入る現場のリーダーの方とお話しできますか」。

 

断られるなら、その理由を聞く。答え方そのものが判断材料になります。

まとめ

研修制度の有無より、リーダーを見たほうが会社の実力は分かります。

  • 発注側が見ているのは、技術力・マネジメント能力・折衝力のバランス
  • いちばんありがたいのは、できないことをできないと言ってくれること
  • トラブルは避けられない。差が出るのはそのあとの動き
  • 続けたくないのは、チームが機能しない・面倒を見ない・他責で飛ぶ会社
  • リーダー教育だけは外注できない。だから会社の投資がそのまま出る
  • 1人常駐ばかりの会社では、リーダー経験が積めない

 

会社の評判は、所属しているエンジニア個人にも跳ね返ります。だから会社選びは、自分の問題でもあります。

 

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