40代で転職して、そこから管理職を目指す。
無理だと思っている人が多いと思います。年次も浅い、社内に顔も利かない、若手のほうが先に上がっていく。
私の部門には、40代で入社して管理職になった人がいます。
私はIT業界で19年、うち部長として6年、中堅SESで採用と昇進の両方を判断する側にいます。私自身も中途入社で、38歳で部長になりました。
この記事では、40代を管理職として採るときに何を決め手にしたのかと、自分が部長になる前に実際にやっていたことを書きます。
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📌 この記事を読むとわかること
- 40代を管理職として採るときの、3つの決め手
- 決め手が技術力ではない理由
- 「内政力」とは具体的に何を指すのか
- 中小企業ほどポストが足りていないという現実
- 私が部長になる前にやっていた3つのこと
- 40代が本当に不利になるのは、どこか
この記事の要約
40代で入社して管理職になった人は実際にいます。決め手になったのは技術力ではなく、コミュニケーション能力・内政力・チームで生産性を出せることでした。中堅SESの部長が、採る側の判断基準と、自分が38歳で部長になるまでに続けていたことを書きました。
結論|40代で採って、管理職になった人はいます
先に答えを書きます。
年齢そのものが、管理職登用の障害になることはありません。
中小企業はどこもポストが足りていないので、マネジメントができる人は年齢に関係なく欲しいというのが本音です。
決め手になったのは、技術ではありませんでした
実際に40代で入社して管理職になった人を見ていて、共通しているのは3つです。

技術力は前提条件です。無いと困りますが、あっても決め手にはなりません。
① コミュニケーション能力
いちばん下の土台です。
40代で入ってくると、周りには年下の社員が多くなります。年下に教えてもらえるか、年下の指示を素直に受けられるか。
ここでつまずく人は、残念ながら多いです。
② 内政力
これが決め手になったと思っています。あとで詳しく書きます。
③ チームで生産性を出せること
個人として優秀であることは、評価されますが決め手にはなりません。
チームとしての生産性に貢献できたかどうか。ここを見ています。
そもそも体制で入らないと数字が作れない、という構造については管理職にならないと頭打ちになるのはなぜかに書きました。
「マネジメントはやりたくない。技術で評価されたい」 面談でよく聞きます。気持ちはよく分かります。 ただ、評価する側として正直に答えると、こうなります。 弊社の場合[…]
「内政力」とは、具体的に何か
あいまいな言葉なので、分解します。
社内を動かせる力のことです。
- 必要なときに、必要な人へ話を通せる
- 部署をまたぐ調整ができる
- 反対が出そうなところを、事前に押さえておける
- 自分の部署の都合だけで押し通さない
中途入社にとって、ここは本来いちばん不利なところです。社内に関係がないからです。
だからこそ、できる人は目立ちます。
中途が社内で見えているかどうかの話は中途入社は出世できないのかにまとめています。
「中途入社だから、どうせ上はいけない」 そう思いながら働いている人は、かなり多いと思います。 新卒で入った人たちがすでに社内で顔を知られていて、自分はゼロから。会議でも、どこか外様のような扱いを受ける。そうい[…]
40代で動くなら、入口を確かめてから
管理職候補として採る会社か、現場要員として採る会社か。まずは40代向けの求人がどうなっているかを見ておいてください。運営元と対応範囲は、利用前にご確認ください。
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中小企業は、そもそもポストが足りていません
40代にとって有利な材料も書いておきます。
中小企業では、リーダー層を育てる仕組みを持っていない会社が多いです。目の前の案件を回すのが先で、数年先に効く投資は後回しになります。
その結果どうなるか。管理職が必要になったとき、外から採るしかなくなります。
弊社もそうです。リーダー教育の仕組みは持っていません。人が要るときは外から連れてきました。
つまり40代でマネジメント経験がある人は、需要の側にいます。
40代は、管理職としてむしろ標準的な年齢です
「40代から管理職は遅いのでは」と思っている人が多いので、全国の数字を置いておきます。

厚生労働省の調査では、課長級の平均年齢は49.5歳、部長級は53.1歳です。
つまり40代は、管理職になるタイミングとしてはむしろ早いほうです。
ただし注意点があります。部長級の平均勤続年数は22.6年。
多くの会社では、長く勤めた人が順番に上がっています。中途入社で管理職というのは、
統計的にはかなり少数派です。
だからこそ、入口を確かめることが重要になります。
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」をもとに作成
私が部長になる前に、やっていたこと
参考までに自分の話を書きます。
38歳で部長になりましたが、「その1年でやったこと」は、正直ありません。ずっと続けていたことが、たまたまそのタイミングで評価されただけです。

自部門の教育を、回し続けた
毎月の部門会議、セミナー、幹部会。
これは昇進のためにやっていたわけではありません。部門の人間が育たないと数字が続かないので、必要だからやっていました。
結果として「この人は部門を任せられる」という材料になりました。
育成の進め方は部下が育たないと悩む管理職へに、失敗も含めて書いています。
「部下が育たない」 管理職になって、一度も思ったことがない人はいないはずです。私も何度も思いました。そしてその原因の大半は、自分の任せ方にありました。 IT部長・こざおです。中堅SES企業で19年、うち部長として6年。延べ200[…]
既存事業から抜けるための施策を立てた
SESという形から脱却するために、商品化プロジェクトを立ち上げました。
人を出して稼ぐ以外の柱を作る、という動きです。うまくいったものばかりではありません。ただ、動いていること自体が評価されました。
上層部が現場に求めているのは、まさにこういう動きです。この点は役員面談で落ちる人の共通点に詳しく書きました。
現場での評価は高い。数字も出している。上司の推薦ももらった。 それなのに、役員面談で落ちる。 この落ち方には、はっきりした共通点があります。 私はIT業界で19年[…]
顧客と、直接つながった
これがいちばん効いたと思っています。
常駐先の担当者だけでなく、上場企業の社長や役員クラスと直接話せる関係を作りました。
営業部門がいない会社なので、ここは自分で動くしかありません。そして一度つながると、案件の相談が直接来るようになります。
この3つが、今も結果を出し続けられている土台になっています。
40代の転職は、数字で見るとどうなのか
「40代の転職は賃金が下がる」と言われます。実際はどうか、国の調査を見てください。

厚生労働省「令和6年雇用動向調査」によると、転職で賃金が増加した人の割合は、40〜44歳で45.9%、45〜49歳で46.4%。
40代は、20代・30代と変わりません。
むしろ45〜49歳は、減少した人(23.8%)との差が22.6ポイントと、全年齢で最も開いています。
逆転するのは55〜59歳です。ここで増加27.4%に対して減少36.6%となり、初めて下回ります。
出典:厚生労働省「令和6年雇用動向調査」をもとに作成
40代が本当に不利になるのは、どこか
正直なところも書いておきます。
不利なのは現場要員として採られた場合です。
- 単価が上がりにくい
- 客先のリーダーが年下になり、提案が通りにくくなる
- 新しい技術の習得に時間がかかる
- 案件が切れたときに、次が決まりにくい
つまり分かれ目は、年齢ではなく入口です。
管理職候補として入るか、現場要員として入るか。応募の段階でここを確認してください。
現場要員のまま年次を重ねた場合に何が起きるかは出世できない40代はどうなるのかにまとめました。
40代に入って、「自分はもう上がらないな」と分かる瞬間があります。 同期が課長になった。後から入ってきた人間が先に声をかけられた。面談で、来期の話が出てこなくなった。 そこで多くの人が「ま[…]
よくある質問
Q. 面接で「管理職候補ですか」と聞いていいですか?
聞いてください。答えられない会社のほうが問題です。
あわせて「管理職の方で、中途入社の方はどのくらいいますか」も聞いておくと、その会社の実態が見えます。
Q. マネジメント経験がありません。40代からでは厳しいですか?
役職経験が無くても構いません。見られるのは役職名ではなく、何を任されてきたかです。
後輩の面倒を見ていた、客先との窓口をしていた、体制を組む相談に乗っていた。こういう経験があれば書いてください。
Q. 年下の上司の下につくのに抵抗があります。
正直に言うと、その抵抗が見えた時点で採りません。
40代で入れば、上司も同僚も年下になります。これは避けられません。ここを受け入れられるかどうかが、最初の関門です。
Q. 転職してすぐ管理職になれますか?
まずありません。1〜2年は結果を見る期間になります。
ただ中小企業は判断材料が結果しかないので、新卒プロパーより早く評価が出ることはあります。
まとめ
40代から管理職を目指すことは、現実的な選択肢です。
- 年齢そのものは障害にならない。中小企業はポストが足りていない
- 決め手は技術力ではなく、コミュニケーション能力・内政力・チームでの生産性
- 内政力とは、社内を動かせる力。中途にとっては差がつきやすい
- リーダー教育の仕組みが無い会社ほど、外から採る必要がある
- 分かれ目は年齢ではなく、管理職候補として入るか現場要員として入るか
- 昇進を狙った動きより、必要だから続けたことのほうが評価される
応募の段階で入口を確認してください。ここが一番大きい差になります。
私自身が部長になるまでの経緯はIT企業で管理職へ、最年少部長になるために実践したこと、昇進の条件そのものは会社員が出世するために必要な3つのことに書いています。
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