SESの契約更新は誰がどう決めているのか|切られる人と、手放されない人

更新月が近づくたびに、落ち着かない。

 

現場からは何も言われていない。でも、言われていないだけなのか、まだ決まっていないだけなのか分からない。

 

結論から言うと、何も言われていないなら、たいてい継続です。

 

私はIT業界で19年、うち部長として6年、中堅SESで社員を送り出す側にいます。同時に、協力会社の契約を続けるかどうかを判断する側でもあります。

 

この記事では、契約更新を誰がどう決めているのかと、切られるときの典型的な理由を書きます。
※本記事にはアフィリエイトリンクが含まれます。

📌 この記事を読むとわかること

  • 契約更新を実際に決めているのは誰か
  • 1ヶ月更新・3ヶ月更新でも、途中で切られにくい理由
  • 切られる人に共通する3つのパターン
  • 終了が決まったとき、いつ・どう伝わるか
  • 本当に重要なのは、更新ではなく「次も使いたいか」だという話
  • 現場が手放さない人は、何が違うのか

この記事の要約

契約更新は、所属会社ではなく現場のリーダーが生産性を見て判断しています。体制計画に沿って要員計画が立っているため、面談時に聞いた期間は継続するのが普通です。中堅SESの部長が、切られる典型的なパターンと、終了がいつどう伝わるかを書きました。

結論|決めているのは、所属会社ではありません

先に答えを書きます。

 

基本は、現場のリーダーが生産性を見て決めています。

 

自分の会社の営業や上司が決めているわけではありません。彼らは結果を受け取って動く側です。

じゃあ、自社に相談しても意味がないんですか?
そうではありません。交渉できるのは自社だけです。ただ、判断材料を作っているのは現場だということは知っておいてください。

契約更新は、どこで決まっているのか

流れを整理します。

契約更新は、どこで決まっているのか
契約更新は、どこで決まっているのか

出発点は体制計画です。プロジェクトに必要な人数と期間は、始まる前から決まっています。

 

そこから要員計画が立つので、面談時に聞いている期間は、そのまま継続するのが普通です。

 

「3ヶ月で切られるかもしれない」と不安になる人が多いのですが、計画どおりに進んでいる限り、途中で外す理由がありません。人を入れ替えるほうがコストがかかるからです。

 

ただし例外はあります。プロジェクトそのものが中断になる場合です。これは本人の問題ではありません。

更新サイクルと、伝わるタイミング

形式の話も整理しておきます。

更新サイクルと、伝わるタイミング
更新サイクルと、伝わるタイミング

更新の単位は、1ヶ月更新か3ヶ月更新が一般的です。

 

ここで誤解されやすいのですが、1ヶ月更新だから不安定、ということではありません。契約の形式と、実際に何ヶ月いるかは別の話です。

終了のときは、最低1ヶ月以上前に伝えます

これはルールとして決まっています。最低限、守ります。

 

そのうえで私の場合は、減員や終了の可能性が見えた段階で、できる限り早く伝えるようにしています。

 

ぎりぎりに言われると、次を探す時間が無くなるからです。

本人と営業に、同時に伝わります

伝え方としては、現場で本人に直接伝えるケースが多いです。

 

同時に、所属会社の営業にも連絡が入ります。つまり本人が先に知ることも珍しくありません。

現場で聞いたら、すぐ自社に共有してください。営業が知らないまま時間が過ぎるのが、いちばんまずい形です。

待機になったときに会社からどう見えているかはSESの待機は、会社からどう見えているのかに書きました。

関連記事

案件が終わって、次が決まらない。 出社はしているけれど、やることがない。まわりに聞きづらい。給料はちゃんと出るんだろうか。   この記事は、その待機を「会社側がどう見ているか」から書きます。   […]

SESの待機は、会社からどう見えているのか|給料・評価・その後を中堅SES部長が話す

切られる不安が続いているなら

更新のたびに不安になる環境が、当たり前ではありません。ほかの会社がどんな条件を出しているかを見ておくだけでも、落ち着いて判断できます。運営元と対応範囲は、利用前にご確認ください。

IT転職の求人を見てみる

PR

切られる人に共通する3つのパターン

では、どういうときに切られるのか。典型は3つです。

① 単価に見合う生産性が出ていない

いちばん多いのがこれです。

 

技術力が低い、という意味とは限りません。その単価で期待される水準に届いていないという話です。

 

単価が上がったあとに、同じ働き方のままだと、ここに引っかかることがあります。

② 指導しても改善されない

現場も、最初から切ろうとはしません。まず言います。

 

問題は、言っても変わらないことです。

 

一度や二度の指摘で変わらないのは普通です。ただ、同じことを3回言っても同じなら、現場は「この人は変わらない」と判断します。

③ 会社にクレームを入れても、対策が出てこない

これは本人ではなく、所属会社の問題です。

 

現場が「このメンバーは厳しい」と会社に伝えたのに、何の対策も出てこない。そうなると、会社ごと信用を失います。

 

発注側から見た「組めない会社」の型は発注側から見た、信頼できないSES企業の共通点にまとめました。

関連記事

自分の会社が、取引先からどう見られているか。 考えたことがある人は、そう多くないと思います。   発注側として、協力会社を選ぶ立場から書きます。 私は中堅SESの部長として、協力会社に発注する判断をしていま[…]

発注側から見た、信頼できないSES企業の共通点|長く組みたいのは2割だけ
指摘されたことを直しても、もう間に合わないということはないですか
改善が見えていれば間に合います。現場も、最初から切ろうとはしていません。まずいのは、言われたまま何も変わらずに時間が過ぎることです。

本当に重要なのは、更新ではありません

ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。

 

更新されるかどうかより、プロジェクトが終わったときに「次の案件でも使いたい」と思われるかどうかです。

 

更新は、計画どおりなら自動的に続きます。差が出るのは終わったあとです。

 

「次も来てほしい」と言われる人は、現場が終わっても次が決まります。紹介が入ります。営業が探さなくても仕事が来ます。

そして本当に優秀な技術者は、現場が手放しません!優秀な人が少ないのは事実なので、そこに入れれば立場が変わります。

評価が現場から社内へどう伝わるかは客先常駐の評価は誰がどう決めているのかに書いています。

関連記事

客先に常駐していると、自社の上司とは月に一度会うかどうか。   現場を見ていない人が、どうやって自分を評価しているのか。   これは常駐で働く人に共通する疑問だと思います。私は中堅SESの部長とし[…]

客先常駐の評価は誰がどう決めているのか|上司が現場にいなくても評価が集まる仕組み

更新が不安なときに、やっておくこと

実務的な話をします。

  • 現場での自分の評価を、直接聞く|リーダーに「改善したほうがいい点はありますか」と聞く
  • 自社に状況を共有しておく|不安の段階で伝えておけば、早めに動けます
  • 指摘されたことは、次の週に変える|改善が見えるかどうかで判断されます
  • 体制計画を把握しておく|工程がいつ終わるのかを知っていれば、備えられます

 

とくに1つ目です。聞いてくる人は、それだけで印象が変わります。

よくある質問

Q. 1ヶ月更新の現場は、やめたほうがいいですか?

形式だけで判断しないでください。体制計画が長期なら、1ヶ月更新でも何年も続きます。

 

聞くべきなのは契約の単位ではなく、プロジェクトの予定期間です。

Q. 更新されるかどうか、現場に直接聞いていいですか?

聞いて構いません。ただし「切られますか」ではなく「次の工程でも自分は必要ですか」という聞き方にしてください。

 

前者は不安の表明、後者は意欲の表明として受け取られます。

Q. 切られたら、評価は下がりますか?

理由によります。プロジェクト中断や計画変更なら、評価には響きません。

 

生産性や態度が理由の場合は、次の提案がしにくくなります。ただしそれも、改善が見えれば回復します。

Q. 自社の営業が何も教えてくれません。

聞いてください。現場で何か言われていないかを含めて、自分から確認する。

 

営業がいない会社もあります。その場合は課長や係長が窓口です。誰に聞けばいいかだけは、先に確認しておいてください。

まとめ

契約更新の仕組みを知っておくと、不安の中身が変わります。

  • 決めているのは所属会社ではなく、現場のリーダー
  • 体制計画があるので、面談時に聞いた期間は継続するのが普通
  • 切られる典型は、生産性・改善されない・会社が動かない、の3つ
  • 終了は最低1ヶ月以上前に通達。可能性の段階で早く伝えることも多い
  • 本人が先に知ることもある。聞いたらすぐ自社に共有する
  • 本当に重要なのは、終わったあとに「次も使いたい」と思われるか

 

何も言われていないなら、たいてい継続です。そこで消耗せず、次に呼ばれる人になることに時間を使ってください。

 

案件がどう割り振られているかはSESの案件アサインは誰がどう決めているのかをどうぞ。

関連記事

「案件ガチャ」という言葉があります。 どの現場に行くかで、その後のキャリアがまるごと変わってしまう。それなのに、自分では選べない。   では、誰がどうやって決めているのか。   私は中堅SE[…]

SESの案件アサインは誰がどう決めているのか|「案件ガチャ」の中身を決める側が話す