客先常駐の評価は誰がどう決めているのか|上司が現場にいなくても評価が集まる仕組み

客先に常駐していると、自社の上司とは月に一度会うかどうか。

 
現場を見ていない人が、どうやって自分を評価しているのか。

これは常駐で働く人に共通する疑問だと思います。私は中堅SESの部長として、実際に評価を決める側にいます。その仕組みをそのまま書きます。

先に結論を書くと、評価の中心は自社の上司ではありません。

 

※本記事にはアフィリエイトリンクが含まれます。

📌 この記事を読むとわかること

  • 評価の情報を、会社がどこから集めているか
  • 顧客と話せないときに、何で補完しているか
  • 顧客が見ている「単価に見合っているか」という軸
  • メンバーとリーダーで、見られているものがどう違うか
  • 自己申告がなぜ必要なのか
  • 評価が契約の継続にどう直結するか

この記事の要約

客先常駐の評価は、自社の上司ではなく顧客の評価がほぼすべてです。中堅SESの部長が、評価の情報をどこから集めているか、メンバーとリーダーで何が違うか、そして評価が契約の継続にどう直結するかを、決める側の立場から書きました。

結論|顧客の評価が、ほぼすべてです

評価の情報をどこから取っているか。順番に書きます。

客先常駐の評価は、こうやって決まる
客先常駐の評価は、こうやって決まる

顧客に直接聞く。これが評価のほぼすべてです。

現場での働きぶりを、いちばん正確に知っているのは顧客です。だから、こちらから顧客に聞きにいきます。

自社の上司が現場を見ていないから評価が適当、ということではありません。むしろ、見ている人に直接聞きにいっています。

顧客と常に話せるわけではないので、補完する

ただ、顧客と常にコンタクトが取れるとは限りません。

そこで、次の2つで補います。

 

  • 本人との面談(自己申告)
  • チームリーダーやメンバーからの報告

そのうえで、定期的に顧客へヒアリングを実施して、ずれていないかを確認します。

 

つまり、自己申告だけで評価が決まることはありませんが、自己申告が無いと材料が足りなくなるという構造です。

顧客の評価は、何で決まっているのか

では、顧客は何を見ているのか。

立場によって違いますが、共通する軸は一つです。

 

生産性と品質が、単価に見合っているか。

そして、評価が高い人は単価以上の働きができています。

立場によって、見られているものが違う
立場によって、見られているものが違う

メンバーの場合|周りを意識して動けているか

個人の生産性と品質が求められるのは当然です。

それに加えて見られているのが、周りを意識して動けているかです。

 

具体例を挙げます。自分の担当分はスケジュール通りに進んでいる。しかしプロジェクト全体は遅れている。このとき、遅れを吸収しにいく動きができるかどうか。

自分の分が終わっていれば、それでいいと思っていました…
そこがいちばん差がつくところです!顧客が見ているのはプロジェクトの成否なので、全体を見て動ける人の評価は一気に上がります。

リーダーの場合|チーム全体の生産性

リーダーになると、評価の軸が変わります。

チーム全体の生産性を意識して動けているか。配下メンバーの管理も含めてです。

自分がどれだけ手を動かしたかではなく、チームとして何を出したかで見られます。ここを切り替えられずに、プレイヤーのまま止まる人は少なくありません。

 

管理職に上がるときに何が変わるかはIT企業で管理職へ、最年少部長になるために実践したことに書きました。

関連記事

「管理職になりたいけど、何をすればいいかわからない」 そんな悩みを持つITエンジニア・営業職の方へ。 私は他業種からIT業界に飛び込み、38歳で最年少IT部長・年収1,400万円を達成しました。課長・部長とステージが上がるにつれ[…]

IT企業で管理職へ、最年少部長になるために実践したこと|課長止まりと部長の決定的な違い

評価が上がる人が、やっていること

決める側から見て、効果があると思うことを並べます。

客先常駐で評価を上げるためにできること
客先常駐で評価を上げるためにできること

「自社の上司に見せる」ではなく「顧客に評価される」

順番を間違えている人がいます。

自社の上司に良く見られようとしても、あまり意味がありません。その上司は現場を見ていないので、結局は顧客の言葉で判断します。

 

見るべき相手は、目の前の顧客です。

それでも、自己申告は必要です

一方で、黙っていればいいという話でもありません。

顧客と常に話せるわけではないので、面談で本人から聞いた内容が判断材料になります。

 
「特にありません」で面談を終える人は、自分から材料を減らしています。

給与がどう決まるかの仕組みはSESの給料はなぜ上がらないのかに書きました。評価と給与は別の仕組みで動いています。

関連記事

現場での評価は悪くない。単価も上がったと聞いた。 それなのに、給与明細は変わらない。   なぜ単価が上がっても、給料は上がらないのか。 私は中堅SESの部長として、部門の昇給を判断する側にいます。この記事で[…]

SESの給料はなぜ上がらないのか|単価と給与が連動しない仕組みを決める側が話す

周囲のメンバーも、見ています

評価の材料には、チームリーダーや同僚からの報告も含まれます。

顧客の前だけ良い顔をしても、周囲からの報告でずれが見えます。逆に、目立たなくても周りから信頼されている人は、そこが必ず伝わります。

契約の継続とも、直結しています

評価は、給与だけの話ではありません。

顧客の評価が低ければ、契約更新の判断に直結します。単価に見合っていないと判断されれば、次の更新で切られます。

その判断基準はSES契約を切られる人・切られない人に書きました。

関連記事

「SESの契約を切られる人・切られない人の違いは何か」 IT部長・こざおです。中堅SES企業で19年、契約更新の判断を数え切れないほど下してきました。この記事では、発注側・会社側の立場から見た「契約が続く人・切られる人」の本当の理由を[…]

SES契約を切られる人・切られない人|発注側で契約継続を判断してきた立場から

つまり、評価を上げる行動は、そのまま現場に居続けるための行動でもあります。

よくある質問

Q. 顧客に評価されているか、どうすれば分かりますか

現場での扱われ方に出ます。

重要な打ち合わせに呼ばれる。相談される。名指しで頼まれる。これらがあるなら、評価されています。

逆に、情報が後から回ってくる状態が続いているなら、そこは正直に受け止めた方がいいと思います。

Q. 自社の上司には、何を伝えればいいですか

担当している範囲が変わったことを中心に伝えてください。

「頑張っています」では材料になりません。「テストだけだったが設計に入った」「メンバーのレビューを任されるようになった」といった、範囲の変化が伝われば判断できます。

Q. 現場の顧客と合わない場合は、どうすればいいですか

早めに自社に伝えてください。

相性の問題は、現場で頑張って解決するものではありません。会社としても、合わない現場に置き続けるメリットはありません。

Q. 評価されている実感がないまま、何年も経っています

一度、面談で正面から聞いてみてください。「顧客からの評価はどうですか」と。

答えが返ってこない、あるいは会社が把握していないなら、その会社は顧客に評価を聞きにいっていないということです。

その場合は、在職中のうちに他社の基準も見ておいた方がいいと思います。

顧客からの評価を、会社は把握していますか

面談で聞いても答えが返ってこないなら、その会社は評価を集めに行っていません。他社の基準も見ておいてください。

無料でキャリア相談する

PR

まとめ|評価の起点は、自社ではなく顧客

整理します。

  • 顧客に直接聞く。これが評価のほぼすべて
  • 顧客と常に話せないため、本人との面談とリーダー・メンバーの報告で補完する
  • そのうえで、定期的に顧客へ再ヒアリングしてずれを確認している
  • 共通の軸は「生産性と品質が単価に見合っているか」
  • メンバーは、周りを意識して動けているか。全体の遅れを吸収しにいけるか
  • リーダーは、チーム全体の生産性と配下メンバーの管理
  • 評価は給与だけでなく、契約の継続にも直結している

上司が現場にいなくても、評価はちゃんと集まっています。

見るべき相手は自社の上司ではなく、目の前の顧客です。そのうえで、自分の変化は面談で自分から伝えてください。