【リストラ候補】生成AI時代に評価される人材・されない人材の違い【現役部長が本音で解説】

「生成AIの登場で、自分の仕事はなくなるのだろうか」

IT部長・こざおです。正直に言います。この不安は、的外れではありません。

SESという業態そのものが、生成AIの台頭によって存続を問われる時代に入っています。自社の社員を見渡しても、正直「このままでは6割は生き残れない」というのが私の実感です。

この記事では、採用側・評価する側として見てきた「生き残る人・生き残れない人」の違いを、きれいごと抜きで解説します。


1. 生成AIがSES業態そのものを揺るがしている

SESという業態は、これまで「エンジニアの労働力」を提供することで成り立ってきました。単体テスト、コーディング、簡単な詳細設計——こうした作業は、人手をかければかけるほど売上になる構造でした。

しかし、生成AIの精度が上がったことで、この前提が崩れつつあります。言われたことをそのままコーディングする、決められた手順でテストを行う——こうした作業は、AIが代替できる領域になってきています。

管理職として日々感じているのは、「この業態のままでは、遅かれ早かれ立ち行かなくなる」という危機感です。だからこそ、これから求められる人材の基準を、正直に言語化する必要があると思っています。


2. 自社の6割は生き残れないという現実

厳しい話をします。自社の社員を見渡したとき、今のままの働き方を続けていたら、6割程度は生き残れないイメージを持っています。

これは脅しではなく、管理職としての率直な危機感です。言われたことだけをやる、PG・テストの作業しかできない——こうした人材は、これからのSESでは価値を出しにくくなっていきます。

逆に言えば、「何が求められるか」を早く理解して動いた人から、確実に生き残れるということでもあります。この記事はその境界線を明らかにするために書いています。


3. 生き残れないタイプ①:言われたことだけをやる人材

一番わかりやすいリスクは、「言われたことだけをやる」人材です。

危険な働き方 これからの価値
指示されたコーディングだけを行う 低い(AIに代替されやすい)
決められた手順でのテストのみ 低い(AIに代替されやすい)
要件定義から提案に関わる 高い(AIには判断しきれない領域)
顧客との折衝・調整を行う 高い(人間関係の構築はAIには難しい)

PG・テストの技術自体が不要になるわけではありません。ただ、「それしかできない」状態が、これから最もリスクが高いということです。

会議での発言でわかる「危険な兆候」

週次の進捗会議を見ていると、この兆候は驚くほどはっきり表れます。

「指示されたタスクは全部完了しました。特に問題はありません。」

一見、優等生的な報告に聞こえます。でも私はこの発言を聞くと、内心で警戒します。「特に問題はない」で終わる報告からは、その人が現場で何かに気づいたのか、何かを改善しようとしたのかが一切伝わってこないからです。

一方、評価が上がっていく人材の報告は違います。

「指示されたタスクは完了しましたが、テストのこの部分、手順が非効率だったので簡易的にスクリプト化しました。あと、仕様書のここ、実装と矛盾している気がするので確認させてください。」

タスク自体は同じでも、「気づいたことを言語化しているかどうか」で評価は大きく分かれます。これはAIには代替しにくい、現場感覚から生まれる価値です。

生成AIによる代替は、思ったより速いペースで進んでいる

正直な話をすると、単体テストのコード生成、定型的な設計書の下書き、簡単な不具合修正——こうした作業は、すでに生成AIがかなりの精度でこなせるようになっています。「まだ先の話」ではなく、今まさに現場で起きている変化です。だからこそ、「言われたことをこなすだけ」の価値は、この1〜2年で急速に目減りしていくと見ています。


4. 生き残れないタイプ②:不義理・自分優先が見える人材

技術力とは別の軸で、評価が下がる人材もいます。不義理をする社員、相手のことを考えて行動できない社員です。

具体的には、先輩・上司・同僚への配慮が欠けていて、常に「自分のこと優先」が透けて見える人。技術力があっても、こうした姿勢は評価に直結します。

「不義理」は、こんな小さな場面に表れる

特別に大きな裏切り行為の話ではありません。むしろ日常の小さな判断の積み重ねに表れます。

  • 後輩から相談を受けたのに、自分の作業を優先してその場しのぎの返事で流す
  • 案件の引き継ぎで、都合の悪い情報(未解決の課題やリスク)を伝えずに現場を離れる
  • チームが忙しい時期に、自分の有給消化や早退の相談だけは真っ先にしてくる
  • 成果が出たときだけ前に出て、うまくいかなかったときは他責の説明をする

どれも「ルール違反」ではありません。でも一緒に働く人からの信頼は、こういう小さな場面の積み重ねで確実に削られていきます。私自身、評価面談で技術的な指摘より、この手の姿勢について時間を割くことが増えています。

理由は単純です。これからのSESで生き残るには、チームで動く力・信頼関係を築く力が不可欠だからです。AIが代替できない領域の多くは、結局「人と人との信頼」に関わる部分です。自分優先の姿勢は、この信頼構築の対極にあります。


5. 生き残る人材に共通する4つの力

力 内容
① 主体性 指示を待たず、自分から課題を見つけて動く
② 自己成長力 新しい技術・AIツールを自分から学び続ける
③ 提案力 「言われたこと」の先にある改善点を提案できる
④ 上流・コミュニケーション力 要件定義や顧客折衝など、人間同士のやり取りが必要な領域で動ける

この4つは、どれも「AIには代替しづらい領域」です。技術の細かいスキルより、この4つの力を意識的に鍛えることが、これからのキャリアの土台になります。

4つの力は、後天的に伸ばせるのか

「そういう力は生まれ持った性格では」と思う人もいるかもしれません。でも19年間、多くの部下を見てきた実感として、この4つは訓練で確実に伸びます。

特に①主体性は、最初の小さな成功体験がきっかけになることが多いです。「言われる前にちょっと提案してみたら、想像以上に感謝された」という経験を一度でもすると、次からのハードルが下がります。だから私は、部下が小さな提案をしてきたときは、たとえ採用しない内容でも「言ってくれてありがとう、次はこう考えてみて」と必ず反応するようにしています。反応がゼロだと、提案する習慣自体が育たないからです。

④の上流・コミュニケーション力についても同じです。最初から顧客折衝を上手にできる新人はいません。小さな打ち合わせに同席させる、議事録を書かせる、簡単な質問対応を任せる——こうした小さな経験の積み重ねが、数年後の差になります。


6. 評価が低い部下に、私が実際に伝えていること

評価面談で、私が実際に部下へ伝えている内容を紹介します。

「今のままのやり方だと、正直これからのSESでは厳しい。あなたの技術は悪くない。でも、言われたことだけをやる姿勢のままだと、AIに置き換わっていく仕事しかできなくなる。
次の半年で意識してほしいのは、指示される前に『これは改善できるのでは』と提案すること。それだけで評価は大きく変わる。」

厳しく聞こえるかもしれませんが、言わないまま評価だけ下げる方が不誠実だと思っています。事実を伝えた上で、改善の機会を用意する。それが管理職の責任だと考えています。

不義理な姿勢が見える部下には、もう少し踏み込んだ伝え方をします。

「技術も悪くないし、仕事も一通りできている。ただ、周りからの信頼という意味では、正直まだ伸びしろがある。困っている後輩を見たときにどう動くか、自分の都合と周りの事情がぶつかったときにどちらを優先するか——そこを少し意識してみてほしい。技術は一人でも伸ばせるけど、信頼はチームの中でしか築けないから。」

この手のフィードバックは、本人にとって耳の痛い話です。それでも伝えないままだと、本人は「自分は正当に評価されていない」と感じたまま、根本的な原因に気づけません。技術評価より先に、信頼という土台の話をすることが、結果的に本人のためになると考えています。

フィードバック後、実際にどう変わったか

正直に言うと、全員が変わるわけではありません。ただ、半分以上の部下は、この種のフィードバックをきっかけに行動が変わります。最初は小さな報告の一言から。「特に問題ありません」だった報告に、「ここが気になったので確認しました」という一文が加わる。その小さな変化に気づいて、面談のたびにフィードバックすることで、少しずつ主体性が育っていきます。

変わらない部下もいます。その場合は、次の部下の退職を防ぐ・引き抜きの実践術で書いたような「環境を用意する」「未来を語る」アプローチに切り替えます。フィードバックだけで人は変わりません。フィードバックと機会の両方が揃って、初めて行動が変わります。


7. 今からできる対策|PG・テストのその先へ

今、PG・テスト中心の働き方をしている人が、明日から何をすべきか。

  • コーディングやテストの「なぜそうするのか」を意識し、設計段階から関われるように知識を広げる
  • 生成AIツールを自分の業務に積極的に取り入れ、「使いこなす側」に回る
  • 顧客・チームメンバーとのコミュニケーションの場に、自分から関わる機会を増やす
  • 「言われる前に気づく」練習を、小さなことから始める

会社が用意する研修制度を活用するのも有効です。当社では入社後の研修に加え、AI関連の研修やオンライン学習サービスの提供、資格取得の補助制度なども用意しています。詳細は教育制度・環境が整っている理由で解説しています。

「気づく力」を鍛える一番手軽な方法

特別な訓練は必要ありません。日々の作業で「なぜこうなっているんだろう」と一度立ち止まる癖をつけるだけで十分です。

例えば、指定された手順でテストを実施しているとき、「この手順、もっと効率化できないか」「この仕様、本当にこれで正しいのか」と自分に問いかける。最初は違和感でしかありませんが、これを続けていると、自然と改善点や矛盾点に気づけるようになります。

気づいたことを、その場ですべて発言する必要はありません。まずは自分用のメモに残す習慣から始めるだけでも十分です。週に1つでも「気づき」がメモに残っていれば、それを週次会議で1つ共有してみる。この積み重ねが、評価される人材への一番の近道です。


補足:評価制度自体も変えている最中です

ここまで「個人がどう変わるべきか」を中心に書いてきましたが、正直に言うと、会社側の評価制度も、まだ完璧ではありません。従来のSESの評価は「稼働時間」「案件の単価」「顧客からのクレームの有無」といった、わかりやすい指標に偏りがちでした。

でも、これからの評価軸は変わっていく必要があります。当社でも、半期の目標設定に「主体的な提案を何回行ったか」「生成AIを業務にどう活用したか」といった項目を少しずつ組み込み始めています。まだ試行錯誤の段階ですが、評価する側も変わらなければ、社員に「変われ」とだけ言うのは筋が通りません。

この評価制度の見直しは、教育制度の整備とセットで進めています。学ぶ環境を用意するだけでなく、学んだ結果がきちんと評価に反映される仕組みがなければ、社員のモチベーションは続きません。

「怖がらせたいわけではない」という本音

「6割は生き残れない」という言い方は、正直かなり強い表現だと自覚しています。読んで不安になった方もいるかもしれません。

でも伝えたいのは、「今のままだと厳しい」であって「今から変われば間に合う」ということです。実際、この記事で紹介した4つの力は、意識すれば数ヶ月単位で伸びていきます。私が見てきた部下の多くも、最初は「言われたことだけ」タイプでした。それでも、小さなフィードバックの積み重ねで、主体性を発揮できる人材に変わっていった例をいくつも見ています。危機感は、行動を変えるためのきっかけとして使ってほしいというのが本音です。


8. まとめ|AI時代に評価される人材になるために

  1. 生成AIの台頭により、SES業態そのものが変化を迫られている
  2. 自社でも6割は今のままでは生き残れないという危機感を持っている
  3. 危険なのは「言われたことだけをやる」「PG・テストしかできない」状態
  4. 技術以外にも「不義理・自分優先」な姿勢は評価を下げる
  5. 生き残る力は主体性・自己成長力・提案力・上流工程やコミュニケーション力の4つ
  6. 今すぐできる対策は「言われる前に気づく」練習から

次のステップとして、以下の記事も参考にしてください。